オリモノは便や尿と同様に、実際に自分の目で見ることができる健康のバロメーターです。女性にとっては生理周期との関係で気になることも多いものです。 生理前 に 臭い のある オリモノ があった場合にはどのようなことが考えられるでしょうか。
オリモノと生理周期についても含めてご紹介いたします。
生理前のオリモノの臭いから何がわかりますか?
オリモノとは
オリモノとは子宮頸部や膣からの分泌物や子宮や膣から剥離した古くなった細胞などが混ざり合ったものです。通常は無色透明か白色で、少し粘り気があります。生理の前後や排卵期に分泌量が増えたり、少し臭いがするようなことがあります。
オリモノの働きで膣の中はpH4.5~5.0の弱酸性を保つことができ、デーデルライン桿菌という善玉菌が大腸菌やカンジダ真菌の増殖を防いでいます。つまり、オリモノはさまざまな細菌が膣内で繁殖しないように自浄作用を担っていると言うことができるのです。
オリモノの分泌は卵胞ホルモンによって司られていますので、初潮が始まるころから分泌が始まり、20歳前後で分泌量のピークをむかえ、更年期に向けて徐々に分泌量が少なくなっていきます。
オリモノは生理周期によっても変化します。生理が終わるとだんだん分泌量が増えて、排卵期に最も分泌量が多くなります。また、色も白から透明になり、ゼリー状を呈するように変化します。
生理周期別のオリモノ
生理期(月経期)
不要となった子宮内膜や血液を排出する生理期には血液が混ざるために茶色や褐色のオリモノがでる場合があります。血液が混じるために独特の臭いがすることがあります。
卵胞期
卵胞が成長するこの時期は子宮内膜も厚くなっていく時期にあたるので、卵胞期を増殖期と呼ぶこともあります。この時期のオリモノは生理周期の中で最も少なくなり、粘り気はなく、さらりとして白っぽい感じや乳白色に変化します。
排卵期
排卵期にはオリモノの分泌量が最も多くなります。透明で粘り気の強いゼリー状のオリモノになることが多く、少量の血が混じるようなこともあります。
黄体期(前期)
排卵後から生理が始まるまでの黄体期(前期)のオリモノは色が白っぽく、粘り気がなくなってさらりとした質感になってきます。
黄体期(後期)
生理前にあたる黄体期(後期)は再びオリモノが増えてきます。臭いが強くなったり、生理の前になると少量の血が混じることもあります。
健康なときのオリモノ
上述したように正常なオリモノの色は透明から白色、乳白色です。膣の粘膜の剥がれたものなども混じるために多少クリーム色に見えることもあります。
酸性の特性から若干酸っぱい臭いがすることもありますが、基本的には健康な時のオリモノは無臭です。生理前には血が混じることがあるために少し臭いが強くなることがあります。
生理前のオリモノの臭い
生理前のオリモノの臭いは、ほとんど場合生理の影響だと考えられています。生理前は、子宮内膜が徐々に剥がれ始めてオリモノと混ざり合って排出されるので、オリモノが茶色くなり、臭いが強くなることが多いのです。
外陰部にかゆみの症状が出ていない場合には生理の影響である場合が多いと考えられます。
生理周期と無関係に茶色いオリモノがある場合には子宮頸癌や子宮体癌、膣内の炎症などが原因である場合があります。過労やストレスなどによって膣内の自浄作用が低下すると膣内でさまざまな雑菌が繁殖する場合があります。
その場合のオリモノは血が混じり、悪臭がします。さらに大腸菌やブドウ球菌などに感染して細菌性膣炎になるとオリモノは黄色くなって、分泌量も増加して臭いもきつくなります。
妊娠と関連する不正出血に「着床出血」がありますが、着床の際に子宮内膜を傷つけて少し出血したものがオリモノに混じると茶色いオリモノになります。
着床出血は全ての着床で起こるわけではありませんが、妊娠の可能性があって、生理開始予定日の1週間前頃に茶色いオリモノがあれば、着床のサインである場合が想定されます。この場合にもオリモノに若干の血が混じることから臭いが強くなることがあります。
まとめ
生理前のオリモノの臭いから何がわかりますか?
オリモノとは
生理周期別のオリモノ
健康なときのオリモノ