おりもの は成人女性であれば誰にでもあるものであり、体調の変化やホルモンの影響で量や 臭い に変化がみられます。女性の生殖器は外からの影響を受けやすく、細菌に感染しやすい構造になっています。
おりものはそのような細菌から女性の生殖器を守るだけでなく、病気のサインとしても役立つのです。
おりものの臭いが知らせる女性の生殖器にみられる病気(前編)
おりものの大切な役割とは
おりものは子宮の入り口である子宮頸部や膣からはがれ落ちた細胞や分泌液でできています。女性の生殖器から子宮までは一本の筒のようにつながっており、外からの影響を受けやすい状態になっています。
また、女性の生殖器は肛門に近いことからも、細菌が侵入しやすい状態なのです。そのため、おりものは細菌が子宮に侵入して、子宮内で増殖するのを防ぐ働きをしているのです。
おりものによって、あらゆる細菌の侵入を防ぐ機能を自浄作用といいます。おりものには、善玉菌の一種であるデーデルライン桿菌が、酸をつくり出し膣内を弱酸性に保っています。それにより、酸に弱い細菌などの侵入を防ぎ、子宮内で増殖することを防いでいるのです。
また、膣内は粘膜でできており、皮膚と比べると非常に刺激に弱くデリケートな構造になっています。そのため、おりものという粘液のバリアをつくることにより、粘膜の潤いを維持して刺激を受けにくいようにしています。
その他にも、排卵日が近づいてくると精子が子宮に入り受精しやすくなるよう、子宮頸部から分泌する粘液を増やして精子の動きを助けます。さらに、子宮頸部から分泌される粘液はアルカリ性であるため酸に弱い精子のためにおりものをアルカリ性に傾ける働きもあるのです。
月経周期によってみられる変化
おりものは、健康な女性であっても月経周期に伴うホルモンの影響で量や色などに変化がみられます。また、量や臭いも少しずつ人によって違いがみられます。
月経中は、妊娠準備のために厚くなった子宮内膜がはがれ血液と共に排出されます。月経が終わってすぐの頃は、おりものの量が少なく性状もサラサラしています。
排卵日が近くなると、精子が動きやすいように子宮頸管からの分泌液が増えてきます。この時の性状は水っぽく、量も多くなります。
排卵期が終わり黄体期に入ると、おりものの量が減り始め、白っぽくドロッとした粘り気の強いものに変化していきます。そして、月経前には再び量が増え始めます。
このような、月経周期によるおりものの変化を知り、自分のおりものの状態を日頃からよく観察しておくことが、異常に早く気づくためにとても大切なことなのです。
まとめ
おりものの臭いが知らせる女性の生殖器にみられる病気(前編)
おりものの大切な役割とは
月経周期によってみられる変化