「おりものの臭いが知らせる女性の生殖器にみられる病気(前編)」では、おりものの役割についてご説明いたしました。後編では、 おりもの の性状や 臭い から考えられる病気についてご説明いたします。
おりものの変化によりわかる病気もありますので、日頃から気にとめておくとよいでしょう。
おりものの臭いが知らせる女性の生殖器にみられる病気(後編)
性状や臭いの異常は病気のサイン
問題のないおりものは、無色透明からやや白っぽい色をしており、たまごの卵白のようにとろみがあります。下着に付着するとクリーム色に変色することがあり、排卵日前後には少量の血液が混ざることもありますが、これは異常ではありません。
臭いは、少し甘酸っぱく月経前には臭いがきつくなることもあります。また、おりものの量は、人によって全く気にならない方もいれば、下着が濡れるほど量が多い方もいるというように人それぞれですが、普段と比べて変化がなければ異常ではない場合がほとんどです。
しかし、月経周期に関係なく生理用のナプキンを使用しなければならないほど明らかに量が増えていたり、血液が混ざっているもの、白くヨーグルトやカッテージチーズのようなもの、濃い黄色や黄緑色で膿のようなものは異常のあるおりものであり、痒みを伴うこともあります。
また、魚が腐ったような腐敗臭や鼻をツクようなツンとした臭いのあるおりものも異常です。これらのおりものがみられるときは病気が隠れている可能性があります。そのため、早めに婦人科を受診して診察をしてもらいしょう。
病気によるおりものの変化
まずは、おりものの臭いがあるかどうかで、ある程度の病気を絞ることができます。臭いがあるものの中で、黄色や黄緑色のおりものがみられるがかゆみを伴わない場合は膣炎や子宮頸がん、子宮体がんの疑いがあり、かゆみを伴い、茶色っぽく細かな泡のようなものや血液が混ざっている場合は膣トリコモナス症の疑いがあります。
臭いがないものの中で、かゆみがなく透明でドロっとしたおりものの場合は子宮頸部びらん、茶色っぽいおりものの場合は子宮頸部びらん、子宮頸がん初期、子宮頸管ポリープの疑いがあります。
かゆみを伴い、黄色や黄緑色、茶色のおりものの場合は子宮頸管炎、萎縮性膣炎、クラミジア感染症、淋病、白っぽくカッテージチーズのようなおりものの場合は膣カンジダ症の疑いがあります。
これらの病気は免疫力の低下している時に感染するものがあり、中には早期に治療を開始しなければならなかったり、出産時に赤ちゃんに感染させてしまうものあります。そのため、おりものの異常に早く気づく必要があるのです。
清潔にすることにより病気を防ぐ
女性器はおりものによって守られていますが、細菌の侵入を元から防ぐことも重要です。おりものには、はがれ落ちた細胞などのタンパク質が含まれているため、そのままにしておくと腐敗臭がしたり、蒸れることによって細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
そのため、下着や陰部を清潔にしておかなければなりません。
おりものが多く、下着を汚してしまう方はおりものシートを使用してトイレに行くたびにこまめに交換しましょう。また、外出先でウォシュレットを使用するのが苦手な方は、携帯用のウォシュレットやウエットティッシュなどを利用しても良いでしょう。
また、女性にとって、婦人科を受診することは勇気のいることでもあります。そのため、日頃から清潔に気をつけるだけでなく、定期的に検診を受けて、女性器の病気にかからないよう意識することも大切です。
まとめ
おりものの臭いが知らせる女性の生殖器にみられる病気(後編)
性状や臭いの異常は病気のサイン
病気によるおりものの変化
清潔にすることにより病気を防ぐ