乳腺症とは女性ホルモンのバランスが崩れ乳腺組織に異常が発生することにより、痛みや張り、乳頭からの分泌物が出るなどの症状が起こることをいいます。乳腺の加齢変化による症状であり、 乳腺 外科 で診察されますが、病気ではなく一般的に治療は必要ありません。
乳腺症は乳腺外科で診察
乳腺症とは
乳房の症状として、乳癌以外で最も多いといわれる乳腺症は、実は病気ではなく乳腺の加齢による変化です。乳腺組織は授乳期に最もその役割を果たしますが、その後加齢と共に退縮します。
女性ホルモンのバランスが乱れることにより、乳腺組織に異常が発生して退化、変化することにより起こります。卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンというホルモンが関係しているため、閉経後は卵巣機能の低下と共に症状は自然に消失します。
乳腺症の症状はしこりができたり痛み、張り、乳頭からの分泌物などがありますが、月経によりその症状に変化が起こることもあります。
基本的には乳腺症は加齢による自然な乳腺組織の変化であり、特に治療が必要な病気ではありません。乳腺症のしこりが後で変化したりなど、癌になる危険性もないので、心配する必要はありません。
乳腺症と乳癌との違い
乳房にしこりや痛みなどを感じた場合、乳癌ではないかと疑う場合がありますが、乳腺症だと診断された場合には特に心配する必要はありません。
ただし乳房のしこりや分泌物など個人での判断は危険ですので、乳房にあらゆる症状が見られる場合には、できるだけ早く乳腺外科で診察を受けましょう。
乳腺症の代表的な症状として痛みがありますが、乳癌は痛みがないと聞いているので自分は乳腺症だと個人的に決めつけるのは危険です。
乳腺症は乳腺全体が固くなる状態が典型的であり、乳癌のような硬いしこりとは異なります。また乳腺症は月経前には症状が激しくなったり、閉経後には症状が緩和することもあります。
さらに乳腺症は乳腺全体が硬くなることにより、乳癌のしこりがあっても見つけにくい可能性があり、稀な例として乳癌が乳腺症と診断されることがあるので注意が必要です。
乳腺症の診断
通常、乳腺症の診断は乳房を挟んで撮るレントゲンや、乳腺超音波検査により行われます。さらに疑わしい病変は、針を刺して細胞を摂取して顕微鏡で観察することもあります。
また局所麻酔を行い乳腺の一部を切除して、乳房生検が行われる可能性もありますが、これらは乳癌との鑑別が困難な場合行われる検査です。
乳腺症なら病気ではないので心配ありませんが、誤診を防ぐためにも正確な診断が必要だと考えられます。乳腺症が確認された場合、乳癌の発生率が2倍から5倍増加するという報告もあるので、注意する必要があります。
乳腺症の痛みや張りが激しく日常生活が困難な場合には、治療薬が処方されます。
乳房の健康を守るために
乳房は女性ホルモンと深い関係があり、ホルモンのバランスの変化によって様々な症状があらわれる可能性があります。現在は女性達の社会進出により働く女性も増加していますが、勤務や多忙を理由に乳房のあらゆる症状を放置する可能性が多いといわれます。
女性がかかる癌の中で、最も多いのが乳癌だと報告されていますが、乳房の痛みを個人で乳腺症だと判断するのは最も危険です。
乳腺症は心配なく病気ではありませんが、その中に乳癌などの疾病が隠れている危険性も無視できませんので、乳房に症状があらわれたら個人判断はせず、すぐに専門医の診察を受けられるようにお勧めします。
一般的に月経周期に伴うしこりや、痛みを伴うものは心配ないと考えられていますが、今までとは違う乳房の変化が見られた場合にはすぐに専門医に相談しましょう。
まとめ
乳腺症は乳腺外科で診察
乳腺症とは
乳腺症と乳癌との違い
乳腺症の診断
乳房の健康を守るために