女性の癌患者の中で最も多いのが乳癌だといわれていますが、最初の 乳癌 に対する初期治療を行った後、他の臓器に癌の症状が出てくることを 転移 といいます。
乳癌の癌細胞は小さい時から乳腺細胞からリンパや血液の流れに沿って肺や肝臓、骨などの臓器に転移巣を形作るといわれています。
乳癌の転移
乳癌が転移すると
一度乳癌にかかった場合には、その後の再発や転移を避けるために治療や検査を欠かさずに行うことがとても大切です。乳癌の再発と転移は基本的に異なり、それぞれの治療の考え方が異なります。
術後に乳房やリンパ節などに乳癌細胞が腫瘤を形成することを局所再発、肺や肝、骨、遠隔リンパ節などに乳癌細胞が腫瘤を形成することを遠隔転移といいます。局所再発の場合には十分に治癒を望むことができますが、遠隔転移の場合には完全な治癒が困難だとされています。
ですから適切な治癒を受け続けながら普段の生活を続けることを目的としながら、生活の質を低下させずに症状の出現を遅らせるための治療を行います。
遠隔転移の治療法
病院で画像診断により遠隔転移の疑いがある場合には、本当に転移なのかどうかを確認する確定診断と治療方針を決定するために、転移した部分の生検を行います。生検とは転移したと考えられる部分に針を刺したりして、細胞や組織を直接調べることをいいます。
しかし転移した場所の生検がリスクが大きいなど困難な場合には、原発巣の性質により治療法の検討を行います。
治療法としては全身治療としてホルモン治療、分子標的療法、抗癌薬の使用、局所治療として放射線治療と転移部位に応じた治療をそれぞれ組み合わされたり、単独で行います。
これらの治療目的が症状を緩和させて生活の質を低下させないことであるため、効果や副作用を確認しながら治療を進めていくことになります。
乳癌は転移しやすい？
乳癌の手術を受けたあと、抗癌剤の服用や定期健診もきちんと受けていたのに、転移してしまったという方もいらっしゃることでしょう。医師の指示する治療法が間違っていたのかなど、失望してしまうかもしれません。
まず知っておくべきことは、定期健診は転移や再発を早期に発見するためのものであり、再発を予防することは困難だということです。抗癌剤やホルモン療法などは確かに再発や転移を予防するものですが、全ての人に効くというわけではなく１００％ではありません。
乳癌の癌細胞は前身にばら撒かれていると考えられていますが、それらが身体のどこかで新しく成長する可能性があります。薬剤やホルモン療法によって死滅したり、再発力の弱い癌細胞もあるので、人によって転移や再発の可能性が異なります。
転移と診断されたら
乳癌が転移したと診断された場合、精神的に大きなショックを受ける方がたくさんいらっしゃいます。実際癌を克服するために治療や検査を繰り返して来られた方にとって、再発ということは肉体的にも精神的にも大きな負担であることは確かでしょう。
まずはこれからの治療法を検討するために、原発癌の情報や今までの治療経過に関する詳細な情報が必要です。現在では数多くの治療法が研究されており、多くの選択が可能になっています。
これらの治療法を通してできる限り症状を抑えながら、基本的な家庭的・社会的な生活を維持させることを目的に治療を行っていくことになります。これらの治療こそが人生の質に関わる最も大切な治療だと考えます。
医師の指示をきちんと守りながら、症状の変化が起きた場合には早急に主治医に報告しましょう。さらに治療中にはエネルギーを多く消耗しますので、十分な睡眠を心掛け、栄養のバランスを考慮した食事を心掛けましょう。
何よりもプラス思考が大切です。適切な治療により症状を抑えて、趣味や好きなことも行いながら楽しい日々を送ってください。
まとめ
乳癌の転移
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遠隔転移の治療法
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転移と診断されたら