乳がん とは、その名が示す通り、乳房にできるがんのことを指します。乳房は乳頭を中心にいくつもの乳腺と、それを保護する脂肪で構成されています。乳腺は小葉に枝分かれし、その小葉は乳管という管につながっている構造ですが、乳がんの90パーセントが乳管にできると一般的にいわれており、残り10%は小葉にできるといわれています。
この病気はもともと、40歳以降の女性に多い病気だと言われてきましたが、その一方最近では発症若年代化が進み、早い場合には20歳代から発症されるケース報告も増えつつあります。
こういった現状を受け、TVや雑誌などのメディアなどで特集が組むようになり、結果として広い層の女性が関心を持つようになっています。病気に関する知識だけでなく、早期発見に向けてのチェック方法等なども徐々に広まりつつあります。
今女性になりやすい乳がんの症状について
乳がんの種類
乳がんの種類は大きく分けると2種類あります。一つ目は触診したときに、しこりとしこり以外の周辺との境がわかりやすい「非浸潤がん」と呼ばれるものであり、触診しても境がわかりにくいものは「浸潤がん」と呼ばれています。非浸潤がんは転移が起こりにくいとされていますが、反対に浸潤がんは転移が起こりやすいのが特徴といわれています。
代表的な症状~しこり~
自己判断の触診によってしこりを感じるようになるのは、しこりが5mmから1cmぐらいの大きさになってからです。それよりも小さい場合に触診でしこりを見つけることは難しいとされており、ましてや自己触診での発見はより難しいでしょう。
月経前など胸が張った状態のときに痛みを伴うしこりが出来る人もいます。これは乳がんのしこりではなく、乳腺症である場合がほとんどです。もしそういったものを見つけたとしても、月経後等別のタイミングで冷静に触診し、乳がんと勘違いしないように気をつけましょう。
しこりの有無を確認するときは、月経が終わってからすると分かりやすいです。先述のとおり、しこりを見つけたからといってすぐに受診する必要があるかといえばそうではないですが、しかし、乳がんが大きくなると痛みが生じるので、月経後に触診してしこりがあった場合や、ある程度の期間を経ても常にしこりを感じるような場合には受診しましょう。
代表的な症状~乳房の皮膚の変化~
乳がんが進行すると、乳がんの範囲が表皮に向かって進んでいきます。表皮近くにまで接近すると、腕の上げた時にえくぼのような窪みができていることもあり、その状態になって初めてしこりの存在に気が付くこともあります。
また、皮膚のへこみだけではなく赤く腫れていることもありますので、胸の状態を入浴時などに鏡の前で確認しておくことも大切です。窪みや赤みは、しこりの発生場所によって乳房正面だけでなく、腋の下近辺に現れることもあります。鏡を使っての自己確認の場合、体の横側からも異変が出ていないか確認するようにしましょう。
代表的な症状~乳房近くのリンパ節の腫れ~
乳がんは、その進行に伴ってリンパ節に転移することが多いのですが、そのリンパ節への転移で多い箇所がわきの下、胸骨、鎖骨です。リンパ節へ転移すると、その箇所がだんだん大きくなり腫れてきます。また、腫れが大きくなるにつれ、むくみ、痛み、しびれなどの自覚症状を感じるようになります。
代表的な症状~他の臓器への転移~
乳がんが進行すると、乳房だけでなく他の内臓、骨などの臓器への転移がおこることがあります。その転移先によって症状は様々です。骨への転移の場合は、痛みが生じます。肺への転移がある場合は、咳が出て、息をするだけでも苦しくなってしまいます。なお、このような症状が現れるステージになると、手術や抗がん剤などでの治療が難しくなってしまう可能性が高いです。
乳がんは、早期発見、早期治療さえできれば完治する病気でもあります。ここ数年患者数は増加傾向にあるため、定期的な乳がん検診受診への呼びかけをおこなっていますし、本やTVなどで乳房のしこりを早期に発見できるように触診方法などについても簡単に実践、説明しているものもあります。
日頃から早期発見、早期治療心がけて乳房を切除しなくてもいいように今からでも定期的に乳房のしこりの触診を自宅でおこなうか、定期的に乳がん検診へいって詳しく検査してもらうようにしましょう。この病気はいつ、だれがなるのかわかりません。
発見が遅れてしまうと命にもかかわってきてしまいますので、女性である以上、どの年齢で発症してもおかしくないと気に留めておくことが大切です。そして、少しでもこの病気のことを知っておくといざというときに役にたってくるのではないかと思います。
まとめ
今女性になりやすい乳がんの症状について
乳がんの種類
代表的な症状~しこり~
代表的な症状~乳房の皮膚の変化~
代表的な症状~乳房近くのリンパ節の腫れ~
代表的な症状~他の臓器への転移~