日本人女性において、乳癌は最もかかりやすい癌であるとされ、生涯の中で乳癌を発症する人は、現在12人に1人であると報告されています(国立がん研究センター調べ)。そして、乳癌で死亡する女性は2013年には1万3,000人を超え、1980年と比べると約3倍に増加しています。
乳癌の怖いところは、他の臓器への転移です。特に転移しやすい臓器は、骨、肺、肝臓、脳が挙げられ、転移してしまうとぐっと死亡率が上がります。しかし、 乳癌 は他の部位の癌に比べると治癒率が高いのです。
初期のうちに発見し適切な治療ができれば、良い経過が期待できます。それは自己検診が出来、早期発見がしやすいからです。それには普段から自分でチェックをし、 症状 を見逃さない事が非常に重要です。
乳癌の症状は自分でチェックできる
病院を訪れる人のほとんどは自己検診で症状に気づいている
病院を受診する人の多くは、「自分で触ってみて胸にしこりがあると気づいた」と、言うそうです。普段、自分の胸を念入りに触ることはあまりないことですが、しかし、それが重要なのです。代表的な症状は、「しこり」です。
その他の症状
乳癌の代表的な症状は胸にあるしこりです。その他には、乳頭からの出血や分泌物がある、乳頭がただれている、乳頭が陥没している、乳房の痛み、脇の下の腫れ、左右の乳首の位置が違う、乳房の皮膚に赤みや腫れがある、などがあります。
乳頭からの分泌物は、血液や血液の混じった茶褐色のもの、黄色いもの、透明なものなど多様です。痛みに関してはあまりないという説もありましたが、ものによってはあるようで、生理前の胸が張る痛みとは違った痛みであるそうです。
若い世代でも発症する
胃癌や肺癌、大腸癌のように高齢になると増加するものとは違い、乳癌は30代から増加しはじめ、40代後半から50代でピークを迎える傾向にあり、比較的若い世代で発症が多いと言えます。若い世代で乳癌を患う女性も多いのです。
近年では晩婚の傾向が強くなり、初産の年齢が高くなっていること、生涯的に見て授乳する時間が少なくなっていることなども乳癌発症のリスクを上げているとの報告もあります。「中年の病気」と思い込まずに、20代のうちから意識しておきたいものです。
早期発見の鍵は、セルフチェック
乳癌は早期発見することで治癒率、生存率がぐっと上がります。しこりの大きさが2cm以下で転移のない乳癌でしたら、近年では放射線治療や薬物療法もどんどん進化していますから、適切に治療をすればほぼ治癒するようです。
日頃から自分の胸に関心を持ち、上記のような症状がないかチェックをしましょう。しこりに関しては、仰向けに寝た状態で片腕を上げ、もう片方の手で乳房をまんべんなく触ることでチェックできます。
しこりが良性の場合もあります
自分で触ってみてしこりがあると感じても、それが全て乳癌という訳では勿論ありません。30歳以上の女性は「乳腺症」という良性のしこりができやすく、素人には判断の出来ない事です。
万が一、悪性である場合はとにかく早期発見が大切ですので、しこりかな?と感じたら乳腺外科を受診しましょう。
市の助成でできる検診を利用しましょう
日本では、国が乳癌の定期的な検診を推奨しているものの、検診の受診率はとても低く、OECD(経済協力開発機構)加盟国30か国の中でも最低レベルの30パーセント台であるといいます。
せっかくの助成ですから利用して、専門家に定期的に乳房のチェックをしてもらいましょう。そして、普段何か感じている症状があれば、そこで医師に伝え、検査で明確にしましょう。
まとめ
乳癌の症状は自分でチェックできる
病院を訪れる人のほとんどは自己検診で症状に気づいている
その他の症状
若い世代でも発症する
早期発見の鍵は、セルフチェック
しこりが良性の場合もある
市の助成でできる検診を利用しましょう