乳癌は発見が遅れると女性にとって特別なものともいえる乳房を失うことにもなりかねない病気です。そのため早期発見がとても重要になります。
乳癌 についての正しい知識とセルフチェックのポイントである しこり と 痛み について知っておくことが乳癌の早期発見への近道です。
これって乳癌?チェックのポイントはしこりと痛み
増えている乳癌
乳房の組織のひとつである乳腺は母乳をつくる小葉と母乳を運ぶ乳管にわかれています。この小葉と乳管にできる悪性の腫瘍が乳癌です。
乳癌は大きくわけて癌細胞が小葉や乳管内に留まっている非浸潤癌、小葉や乳管の壁を破って癌細胞が外へと広がっていく浸潤癌、さらに癌細胞が乳頭にまで達して皮膚にただれの症状がでるパジェット病の3種類になります。
3種類のなかでも浸潤癌が最も患者数が多く、非浸潤癌は全体の約20%、パジェット病は約1%未満といわれています。乳癌の発生・増殖にはエストロゲンという女性ホルモンが大きく関わっています。
近年の日本ではで食生活やライフスタイルの欧米化、女性の社会進出などによりエストロゲンにさらされる環境が長く続くことにより乳癌の発生率は大変増えています。
乳癌のしこりの特徴
乳癌を発見するきっかけとして最も多く知られているのは乳房にできるしこりです。しこりの大きさははじめは小さなものから時間とともに増殖を繰り返しだんだんと大きくなっていきます。
3㎜以上の大きさであれば超音波で発見される可能性がありますが医師でも触って確認することはほとんど不可能です。
1㎝以上になると自覚できる場合がありますが乳房が大きな人は難しいかもしれません。さらに2㎝以上になるとほとんどの人が自覚できるようになります。
しこりの硬さは固いチーズのような感触で、形があいまいでまわりとの境界線がわかりづらく触ってもあまり動かないという特徴があります。
しこりができる場所は乳房の上部の外側が最も多く、上部内側、下部外側、下部内側の順になります。
また脇にしこりが認められる場合は脇のリンパへの転移が疑われます。しこりがあると腕を上げて引っ張られる感覚や重たい感じがしたり、乳房の表面の皮膚が不自然に引きつれたようになるなどの症状がみられる場合もあります。
しこりが大きくなると転移や治療後の再発の可能性が高くなります。
乳癌は痛くないという思い込みは危険
乳癌は一般的にしこりがあっても痛みはないといわれています。しかし実際には乳癌でも痛みがでる場合があります。人によってはしこりができる前にチクチクとした痛みを感じるということがあるようです。
また初期の乳癌では痛みは感じなくても癌が進行するのに伴って痛みがでるというケースもあります。その際は片方の乳房のの一部分だけに痛みを感じるという特徴があります。さらに乳癌が脇のリンパにまで進行すると脇に痛みを感じる場合があります。
パジェット病の場合は乳頭周辺の皮膚がただれるのと同時にかゆみや痛みを感じるケースがあります。乳癌は痛みがないという先入観で乳癌ではないと自己判断するのは危険です。
乳癌と間違えやすい病気
乳癌と同じようにしこりや痛みがみられる病気に乳腺症や乳腺炎などがあります。しこりの形や痛みのでかたが乳癌とは微妙に異なりますが素人が乳癌なのか乳癌とよく似た病気なのかを区別をするのは不可能です。
乳癌以外の病気でみられるしこりはほとんどが良性ですが、乳癌でないからといって放っておいて良いというわけではないのでしこりや痛みなどの気になる症状がある場合は必ず医療機関を受診しましょう。
乳癌は早期発見が重要
乳癌は早期発見・早期治療することで治る確率が高い病気のひとつです。早期発見をするためには医療機関での定期的な検診と共に簡単にできるセルフチェックが非常に役に立ちます。
毎月生理が終わった後5日くらいを目安に乳房にしこりや痛みをはじめそれ以外にも変わった様子がないかをよく観察してみましょう。
セルフチェックを習慣づけると小さな変化でもよくわかるようになります。そして少しでも気になることがあればすぐに医療機関を受診して詳しい検査をすることをお勧めします。
まとめ
これって乳癌?チェックのポイントはしこりと痛み
増えている乳癌
乳癌のしこりの特徴
乳癌は痛くないという思い込みは危険
乳癌と間違えやすい病気
乳癌は早期発見が重要