乳がん 検診を受け、「マンモグラフィで 石灰化 」と指摘されることがあります。石灰化とは、カルシウムが沈着したものです。マンモグラフィではそれが白く写ります。石灰化には良性のものと悪性のものがあります。
乳がん検診の石灰化って?
石灰化とは何でしょう?
乳がん検診の石灰化とは、マンモグラフィという乳房をはさんで撮影するレントゲン検査での所見の一つです。カルシウムが沈着したものが、白く石灰化として写ります。
カルシウムが沈着する原因として、線維腺腫や嚢胞など良性の原因の場合もあれば、一部、乳がんが原因の場合があります。乳がん細胞が壊死し、石灰化として写ってくるのです。
乳がん検診のカテゴリー
乳がん検診では、マンモグラフィの結果がカテゴリー1から5までに分かれます。カテゴリー1は「異常なし」、カテゴリー2は「良性」、カテゴリー3は「良性、しかし悪性を否定できず」、カテゴリー4は「悪性の疑い」、カテゴリー5は「悪性」という意味です。
マンモグラフィは、石灰化と腫瘤、その他の所見の3つの要素で判断し、上記のカテゴリーわけを行います。検診のマンモグラフィを判断することを読影と言います。自治体などの乳がん検診では、読影の試験を通った医師が、マンモグラフィを判定します。
分類について
石灰化の判断は、まず明らかに良性の石灰化かどうか確認します。乳管内に入らない大きな石灰化や、両方の乳房に同じような石灰化があるもの、ポップコーン様石灰化、乳腺が存在しない位置にあるものなどは、良性の石灰化として判断されます。
良性の石灰化と判断できない場合は、形態と分布の2点から評価されます。石灰化の形態は、「微小円形石灰化」、「淡く不明瞭な石灰化」、「多形性石灰化」、「微細線状・分枝状石灰化」の4つに分けられ、後に記載したものほど、カテゴリーの数字が高くなっていきます。
微細線状、分枝状の石灰化は乳がんが乳管内を進展している画像の場合があります。石灰化の分布は「びまん性」、「領域性」、「区域性」、「線状」、「集簇性」に分類されます。区域性、線状、集簇性の場合は、より悪性を考えます。形態と分布の評価を行い、カテゴリーが決まります。
良性と判断されなかった場合、次の検査は?
石灰化が画像上、良性と判断されなかった場合は、次の段階の検査を医師と相談します。石灰化している部位の組織を検査し、良性か悪性か診断していきます。
超音波検査は、ゼリーを乳房に塗布し、超音波で画像を得る検査です。石灰化が超音波でも写ってくる場合は、エコーで部位を確認しながら、針を穿刺し組織を採取して検査します。
小さな石灰化の場合は、ステレオガイド化吸引式組織生検法を行うことがあります。レントゲンで石灰化の場所を移しながら、組織を採取します。日本では現在、マンモトームとバコラという2種類があります。
針生検に比べて、たくさんの組織量を1回の穿刺で採取でき、石灰化した部分の、組織採取の確実性が高まります。しかし、針生検に比べ、さらに太い針での穿刺となりますので、検査の負担が大きくなります。局所麻酔を使用し行います。
検査時、しばらく動かず同じ姿勢でいる必要があるので、体勢がつらい場合は医師や看護師に申し出ましょう。検査方法についてわからないことは、医療スタッフに伝えれば、説明してくれますので、遠慮なく確認していきましょう。
採取した組織は、病理医が顕微鏡で細胞や核の形を確認し、必要時は特殊な染色をするため、結果が出るのに3日から1週間程度かかります。
乳がんと診断されたとき
もし検査をすすめて、乳がんと診断された場合、さらに乳がんの大きさや広がりの様子、わきの下のリンパ節の大きさ、他の臓器への転移の有無などを調べていきます。検査結果から、治療方針をたてていきます。
乳がんには大きく手術療法、化学療法、放射線療法があり、それらを組み合わせて治療を行います。
乳がんの種類は、大きく浸潤癌と非浸潤癌に分かれます。非浸潤癌は間質に浸潤が認められないものです。任意保険によっては浸潤癌と非浸潤癌で保障内容を変えているケースがあります。
浸潤癌は、浸潤性乳管癌と特殊型に大きくわかれます。浸潤性乳管癌は頻度が多く、さらに乳頭腺管癌、充実腺管癌、硬癌に分けられます。この分類によって乳がんの性格が推測できます。
乳がんと診断された場合は、主治医とよく相談して治療方針を決めていきましょう。
まとめ
乳がん検診の石灰化って?
石灰化とは何でしょう?
乳がん検診のカテゴリー
分類について
良性と判断されなかった場合、次の検査は?
乳がんと診断されたとき