近年、著名人や一般の方にも乳癌と診断される方が増えてきました。乳癌は早期発見できれば命にかかわるものではありませんが、癌の一種であることに変わりありませんから再発が懸念されます。
そこで、 乳癌 の 再発率 や再発の種類についてまとめました。
乳癌の再発率ってどれくらい?再発したらどうなるの?
乳癌の再発率について
乳癌の再発は、2~3年以内が多くなっています。率にすると、5年以内が約20%・10年以内が約25%とされており、再発する方の約7割もの方が7年以内に再発を経験するといわれています。
では、乳癌の治療から10年以上経った方は再発の心配はないのでしょうか。その答えは残念ながら「NO」です。乳癌の細胞の中には骨髄の中で休眠するものがあり、その状態では抗がん剤などが効かないことがわかっています。
その結果、10年以上経過してから休眠していた乳癌の細胞が再び活動を始め、再発をしてしまう可能性もあるのです。
また、乳癌の再発率には発見された際の癌のステージも関係しているといわれています。
ステージⅠの再発率は1割以下、ステージⅡでは約3~4割、ステージⅢでは5割以上の方が再発するというデータが存在しています。癌が初期であればあるほど、癌細胞の広がりが抑えられるため、再発率は低くなるとされています。
乳癌の再発にはどのような種類がある?
乳癌の手術を受けた後、再発と診断される方には3種類のパターンがあります。それが「局所再発」「領域リンパ節再発」「転移性再発」です。それぞれの特徴についてみていきましょう。
局所再発とは、初めの乳癌手術の際に残した乳腺の組織に、再び同じタイプの乳癌が出ることをいいます。癌の発生場所が初めの場所と近いという特徴があります。
領域リンパ節再発とは、初めの乳癌手術をした同じ側のリンパ節への癌転移がみつかったものの、ほかの臓器には転移がみられない状態をいいます。リンパ節への転移がみつかっても、初めの手術とは反対側だった場合には、領域リンパ節再発には含まれません。
転移性再発は別名「遠隔再発」とも呼ばれます。初めの乳癌手術を受けた場所から離れた場所に癌が発生することをいいます。乳癌の転移性再発の場合、発生する場所としては肺・骨・肝臓・脳が多いとされています。
乳癌の再発を予防する方法はあるの?
乳癌の手術を受けた後、再発を防ぐには何か方法があるのでしょうか。乳癌の場合は、受けた手術の方法によっても再発率が変わってきます。それは、腫瘍を全て手術で取り除いても、癌細胞が体に残ってしまうことがあるからです。
手術方法別の再発率としては、乳房の全摘出術で約2%、乳房の温存術で約35%と言われています。
手術後に、放射線療法や化学療法・分子標的薬を行うことでこれらの再発率の数字は低くなることがわかっています。
また、再発率を下げるためには週に3~5時間程度のウォーキングをすることで乳癌で死亡するリスクを下げることができるという研究結果が発表されています。適度な運動をすることが体の治癒力を高めてくれ、癌の発生を予防してくれるのです。
ここで気をつけたいのは、運動のし過ぎは癌の発生を促進する恐れがあるということです。あくまでも「適度な運動」が乳癌の再発を予防してくれるとのことです。
さらに海外の研究では大豆に含まれている大豆イソフラボンの摂取によって乳癌の再発率が下がった、という報告も行われています。
意外なところでは、体重の増加が乳癌の再発率に影響するという報告もされています。体重が5kg以上増えることで、乳癌による死亡リスクが1.6倍も増えるといわれています。
適度な運動と、バランスの良い食事をとることが乳癌の再発を防ぐことに大きな影響を与えているといえるでしょう。
まとめ
乳癌の再発率ってどれくらい?再発したらどうなるの?
乳癌の再発率について
乳癌の再発にはどのような種類がある?
乳癌の再発を予防する方法はあるの?