「乳癌になりやすい人の体質改善(前編)」では、一般的に乳癌になりやすいとされている方々の特徴をご説明いたしました。後編では遺伝性乳癌という遺伝子的に 乳癌 に なりやすい人 の特徴をご紹介いたします。
乳癌になりやすい人の体質改善(後編)
遺伝による乳癌の発症
乳癌は遺伝の影響も大きく、海外の有名女優が遺伝による乳癌の予防のために、乳房を切除したという話題もありました。
乳癌患者の5~10%は、生殖細胞系列の遺伝子変異がある遺伝性乳癌であると言われています。遺伝子変異を持つ人は、乳癌の発症率が70%前後であり発症リスクが非常に高いことがわかります。
しかし、乳癌を発症した家族がいる場合でも、必ずしもそれが遺伝性乳癌という訳ではないのです。同じような食生活や生活環境で過ごしている間に、体質が似てしまい家族で乳癌を発症することもあります。
実際に、乳癌患者のおよそ80%は食生活などの環境因子が大きく影響していると言われており、全体的に見ても遺伝性乳癌の割合は少なく、遺伝子変異の有無に関わらず乳癌を発症する可能性は十分あるのです。
遺伝性乳癌は、50歳以下という若年期での発症が多く、家族が遺伝性乳癌であった場合は、若年期からのがん検診やセルフチェック、また体質のや環境の影響を意識する必要があります。
しかし、女性は誰でも乳癌を発症するリスクがあるため、日頃からできる限りの予防策を行うことが大切です。
乳癌は予防できるのか
乳癌は遺伝的な要素もあるため、残念ながら完全に乳癌にならないという方法はありません。しかし、乳癌になりやすい体質を知り、体質改善していくことにより、少しでも乳癌の発症を抑える意識が大切です。
それに加え、定期的ながん検診を受けることも、乳癌を予防する第一歩になります。しかし、自治体で行われる乳癌の特定健診は、40歳以降であり自分でがん検診を受けようとすると自費診療となるため医療費負担が大きくなります。
そのため、自分でできる乳癌のセルフチェックを入浴前などに行う習慣を身につけましょう。
また、乳癌は女性ホルモンであるエストロゲンと密接な関係があるため、女性ホルモンを整え体内バランスを良くすることが予防につながります。
このように、乳癌になる原因と言われるものの中から、自分で意識することでその原因をつくらず、万が一乳癌を発症してしまっても早期発見、早期治療が行えるよう心掛けることが何よりもの予防になります。
すぐにはじめる体質改善
まず一つ目は食生活の改善です。1日3食、バランスの良い食事を摂ることはもちろんですが、女性ホルモンと同じような働きをするイソフラボンを多く含む大豆製品や細胞を攻撃して癌化にさせると言われる活性酸素を防ぐビタミンを多く含む野菜や果物、きのこ類、赤ワインなどの抗酸化食品を積極的に摂ることをお勧めします。
また肥満に影響する脂質の多い食品は避け、体重管理を行うことも必要です。
二つ目はストレスを避けることです。ストレスは発癌を促す活性酸素を発生させてしまいます。さらにストレスはホルモンのバランスを崩してしまい、その影響で体調を崩しやすくなります。
アロマやスポーツなど、さまざまな趣味を生かしたストレス解消法の中から自分にあったものを見つけて、心穏やかに過ごすことを意識しましょう。
三つ目は良好な睡眠と適度な運動です。忙しい毎日を送っていると、運動をする時間もなかなかつくれないと思います。しかし、通勤でいつもより1駅手前で降りて歩いたり、休日の散歩、寝る前のストレッチなど、無理なく続けられることから始めてみると良いでしょう。
運動をしている女性はしていない女性に比べて乳癌になりにくいというデータもあります。また適度な運動は肥満を予防し、良好な睡眠を促します。
ただ寝るのではなく、しっかりと身体を休息させスッキリと目覚められる睡眠をとることにより、体内リズム、ホルモンバランスを整えることができます。適度な運動と良好な睡眠は免疫機能を高めることもでき、身体と心のバランスを取るためにも大変有効です。
このように生活リズムや生活習慣を整えることにより、ホルモン環境を良くして乳癌を予防するだけでなく、体調を整えて健康的な生活を送ることができるのです。
まとめ
乳癌になりやすい人の体質改善(後編)
遺伝による乳癌の発症
乳癌は予防できるのか
すぐにはじめる体質改善