乳癌の末期とはステージⅣをいいます。つまり乳癌細胞が他の臓器に転移している状態をいいます。転移した癌細胞が大きくなると、その臓器が正常な機能を保つことが困難になります。
しかし同じステージⅣの 乳癌 末期 といっても、まだ症状があまり出ていないケースや、末期の症状に苦しんでいる方など様々です。
乳癌の末期とは
乳癌末期の症状
乳癌末期であるステージⅣになると、既に癌が全身に広がっている状態であるため、部分的な手術などは意味がありません。転移した部分や再発した乳癌の部分的治療と共に、癌の進行を抑えるなど全身的な治療を行うことにより、痛みなどの症状を緩和させる治療を行います。
薬による治療は癌の広がりや乳癌の性質などによって選択されますが、末期になると癌を完治させることは困難になります。転移による痛みなどの症状を和らげて、できるだけ日常生活を支障なく行うことができるようにすることが、治療の目的となります。
この場合には治療の効果と副作用とのバランス、そして患者本人の価値観が重要になりますので、医師との信頼関係も非常に大切でしょう。
乳癌が骨や肺に転移した場合
乳癌は末期のステージⅣになると、遠隔転移が認められます。乳癌は初期にはあまり症状が見られないので、様々な症状があらわれる頃にはかなり進行していると考えられます。
乳癌が転移しやすい場所は骨や肺、肝臓、脳が挙げられます。骨に転移すると最初は無症状ですが、その後肩や腰、背中の骨に痛みを感じるようになります。骨転移の痛みとはその部分を叩くと痛みが増すのが特徴だといえるでしょう。
この場合骨に荷重のかかる部位である場合、痛みと共に病的骨折のリスクも高まり、脊髄に転移すると下半身麻痺の恐れもあります。
また肺に転移した場合、病状が進むと息苦しくなり、一日中苦しむほどの頑固な咳が出ることもあります。胸膜の近くに転移した場合には、胸水が溜まり息切れを起こすようになります。
乳癌が肝臓や脳に転移した場合
さらに乳癌が肝臓に転移した場合は、初期の段階では症状が出にくいと言われますが、病巣が大きくなってからお腹が張ったり痛み、みぞおちの圧迫感や黄疸などの症状が出てくるようになります。また食欲が低下したり腹水が溜まり腹部が膨らむこともあります。
乳癌が脳に転移すると激しい吐き気や頭痛、めまい、ふらつきの症状が比較的初期からあらわれますので、このような症状が感じられたらすぐに受診して下さい。さらに進行することによりけいれんや手足の運動機能低下、舌のろれつが回らなくなる可能性もありますので、注意が必要です。
緩和治療とは
末期の乳癌となると、全ての癌細胞を取り除くことは困難だと考えられます。そこで行われるのが緩和治療です。これは根本的な癌の治療ではなく、癌による痛みを和らげるための治療です。
緩和治療は病気の改善を図る治療ではないため、抗癌剤治療が効かなくなった患者のための治療法であるなど、様々な誤解がありますが、心と体の痛みを解消して前向きな生活を送るための、とても重要な治療法です。
末期の癌は痛みとの闘いになります。癌の痛みは想像以上に苦しいといわれており、癌細胞が全身に広がっている状態になると、意識を失ったりさらに身体が衰弱してしまう可能性があります。
ただし緩和治療の薬には強い作用がありますので、時期や投与量には十分な注意が必要になります。しかし乳癌の痛みを和らげるためには必ず必要な薬であり、副作用を考えるとそのバランスがとても重要です。
乳癌末期の症状に苦しむ患者の方にとってはとても大切な治療であり、末期癌の痛みを取り除くことも大切な治療だといえるでしょう。
まとめ
乳癌の末期とは
乳癌末期の症状
乳癌が骨や肺に転移した場合
乳癌が肝臓や脳に転移した場合
緩和治療とは