乳癌 は、実は癌の中でも予後が比較的良好であるといわれています。しかし、そのためには早期発見と限りなく 完治 に近づけるための治療が必要です。
しかし、一度癌が発生してしまうと、たとえ癌細胞が検査などでは発見されないほど減少しても、体のどこかに潜んでいる可能性があります。そのため、乳癌の再発を防ぐためには、食事などの生活習慣を改善する意識が大切なのです。
乳癌を完治させて予後を良好にするための治療(前編)
予後がわかるステージ別の生存率
癌を発症すると、その癌に対する予後の話をされますが、予後はどのように決めているのでしょうか。
予後というのは、その病気が治療によってどのように経過していくのかを示すものです。乳癌の予後は、癌が発見された時の状態を総合的に判断されますが、一般的に理解しやすいよう癌の進行度をあらわすステージとその5年生存率について伝えられる場合が多いでしょう。
乳癌のステージは0〜Ⅳであらわされ、ステージ0は癌が乳癌の中に留まっている状態のため、予後は良好であり生存率も100%といわれています。ステージIは、しこりの大きさが2センチ以下でありリンパ節への転移が認められないものであり、生存率は95%といわれています。
ステージⅡは、しこりが2センチ以上であるか、リンパ節への転移が疑われるものであり、生存率は88%といわれています。このステージⅡまでは、生存率も高く乳房を温存できる場合もあることから予後は良好と判断されやすくなります。
しかし、ステージⅢに入る乳癌は、しこりの大きさが5センチ以上になり、リンパ節へや周辺の組織に転移がみられるものであり、生存率は76〜66%と低くなってしまいます。
そして、他の臓器に転移がみられるものはステージⅣとなり、生存率は34%と非常に難しい状態になってしまうのです。
このように乳癌のステージが進むほど生存率は低下していき、ステージⅡまでと比較してもステージⅢからⅣの予後は決して良好といえる状態ではないことがわかります。
完治、治癒、寛解とはそれぞれどのような状態なのか
癌と聞くと、まずは予後や余命が頭をよぎるものですが、本来、乳癌は他の癌に比べて予後の良い癌であるといわれており、早期発見、早期治療により医師から完治したと告げられることもあります。
しかし、完治以外にも寛解や治癒といった言葉を用いる場合もあり、それぞれのあらわす意味を理解しておかなくてはなりません。また、完治とは再発もなく完全に治った状態と認識してよいものなのか曖昧なところもあります。
完治、治癒、寛解はどれも治癒が一段落した状態で判断されます。
たとえば、リンパ節への転移がみられた場合、手術によりしこりをすべて除去しても、まだ体のどこかに癌細胞が隠れている可能性があります。そのため、まだ再燃の可能性が否定できないものの、治癒後に症状がなくなり検査などでも異常がみられなくなった状態を寛解と呼びます。
癌は、一旦寛解状態に入っても、5年以内は再燃する可能性が高いといわれています。そのため、寛解状態のまま5年以上が経過しても癌が再燃することなく落ち着いている場合、その状態を完治や治癒と呼びます。
しかし、癌はいくら寛解状態が長く、完治や治癒といわれたとしても、どこかで癌の芽が隠れている可能性は0にはなりません。10年、20年経ってから再発する可能性もあるのです。
まとめ
乳癌を完治させて予後を良好にするための治療(前編)
予後がわかるステージ別の生存率
完治、治癒、寛解とはそれぞれどのような状態なのか