「乳癌を完治させて予後を良好にするための治療(前編)」では、ステージ別の生存率についてご説明いたしました。後編では、 乳癌 を 完治 させる可能性のある補助療法についてご説明いたします。
その他、乳癌によいと言われる食材もご紹介いたします。
乳癌を完治させて予後を良好にするための治療(後編)
乳癌を克服するための補助療法
乳癌は癌が乳房内に留まっている場合、局所療法といわれる手術や放射線療法で完治させられる可能性が高いですが、乳房の外の組織に癌が広がってしまった場合は、すでに血液などを介して癌細胞が全身のどこかに隠れている微小転移をおこしている可能性があります。
隠れている小さな癌細胞まで手術で取り除くことは難しいですが、放置してしまうと増殖して大きくなってしまう恐れもあります。そのため、手術の前後に微小転移を根絶させることが必要です。
微小転移におこなわれる治療は、局所療法に対して補助療法といわれ、主に薬物を使った治療になります。乳癌の場合は癌の性質によって、抗がん剤を投与する化学療法とホルモン療法が選択されます。
局所療法と補助療法をおこなうことにより、取り切れなかった微小転移からおこる転移や再発を防ぎ、限りなく完治に近い状態になることが期待されます。
自分の意識が再発を防ぐ
乳癌は、女性ホルモンの一種であるエストロゲンの過剰分泌が発症の原因とされています。エストロゲンは月経の周期に伴い、分泌量を増やして乳腺を発達させる作用があります。
そのため、ホルモンのバランスが乱れていたり、妊娠、出産や授乳経験のない、また高齢出産の女性は月経期にエストロゲンにさらされる期間が多くなるため乳癌の発症リスクが高くなります。
また、肥満になると女性ホルモンのバランスが乱れやすくなるだけでなく、脂肪細胞がエストロゲンの産生に関与していることから乳癌の発症リスクを高めてしまいます。
出産や授乳は、なかなか自分の意思だけでは解決しづらい問題ですが、女性ホルモンを整えるための生活改善はすぐにでも始めやすいと思います。近年は、食生活が欧米化した影響で高脂肪、高タンパクの食べ物が増えています。
実際に、乳癌を発症した方は食生活に特徴があり朝食はパンやヨーグルトで済ませ、スナックなどのお菓子をよく食べており、食生活が欧米化していることもわかっています。
このような食事はカロリーが高く、運動をする習慣のない方は必要カロリー以上の摂取を続けることにより脂肪細胞を増やし、結果的にホルモンバランスを崩し、エストロゲンを増加させてしまいます。
乳癌に良いといわれる食材には、にんにく、牛肉、トマトなどの抗酸化作用のあるものや抗エストロゲン作用のある大豆、抗癌作用のある舞茸や椎茸などがあり、このような食材を取り入れた食事を意識すると良いでしょう。
また、運動も乳癌を予防できると考えられています。乳癌を防ぐために、食事と運動を意識して自ら改善することのできる生活習慣を身につけましょう。
まとめ
乳癌を完治させて予後を良好にするための治療(後編)
乳癌を克服するための補助療法
自分の意識が再発を防ぐ