乳がんは女性の罹患する癌の中で最も多く、毎年6万人ほどの方が罹ると言われています。それだけに乳がんの原因に関しても非常に関心が高まってきているようです。
乳がんの予防にお役にたてるようにさまざまな 乳がん の 原因 についてご紹介いたします。
乳がん予防に活用できるさまざまな乳がんの原因とは
乳がんとは
乳房を形成しているのは乳腺と脂肪ですが、乳がんは乳腺から発症します。成人女性の乳房は乳頭を中心に放射線状に15~20個ほどの乳腺がならんでいます。それぞれの乳腺は小葉に分かれていて、乳管という管で繋がっています。
乳がんの9割は乳管から発症する「乳管がん」で、小葉から発症する「小葉がん」は1割ほどであると言われています。
他のがんと同様に乳がんも遺伝子異常を蓄積することによって発生しますが、発生にも進行にもホルモンに依存していることが、他のがんと大きく違う特徴となっています。
発見される乳がんの1~2割は発生した場所にとどまる「非浸潤がん」です。それに対して「浸潤がん」は発生した場所にとどまらず、近くの組織に入り込んだり、血管やリンパ管を経由して全身に転移する可能性のあるものです。
乳がん発生の要因としてのエストロゲン
乳がんの発生には女性ホルモンのひとつであるエストロゲンが関わっていることは広く知られています。エストロゲン濃度の高い方や経口避妊薬や閉経後の女性ホルモン補充療法で女性ホルモンを体外から取り入れた場合に乳がんの発生のリスクが上がるという報告があります。
初潮が早く閉経が遅い場合エストロゲンにさらされている期間が長くなりますので、体内のエストロゲン濃度が長い間維持されることになり、乳がんの発生リスクが高くなります。
妊娠や出産を契機にして乳腺の細胞が悪性化しにくいものに分化するために、妊娠・出産の経験がない方はある方に比べると乳がん発生のリスクが高くなります。
また、授乳歴のある女性やその期間の長い女性の乳がん発生リスクが低いのは、エストロゲンにさらされる期間が短くなるためであると考えられています。
脂肪細胞の中でもエストロゲンが生成されることから、成人後の肥満も乳がん発生のリスクを高くします。とりわけ閉経後の肥満には要注意です。
乳がんの原因となる生活習慣
喫煙は肺がんの発症リスクを高くすることでよく知られていますが、2006年の厚生労働省研究班の報告によれば喫煙は日本人女性の乳がんの発症リスクを高める可能性があることが結論づけられています。
また、受動喫煙にも弱い関連性があるという報告もありますので、他人の煙草の煙にも要注意です。
メカニズムは解明されていないもののアルコール飲料の摂取による乳がん発症のリスクは確実なもので、飲む量に比例して発症リスクが高くなるという報告があります。
食生活の欧米化により、動物性脂肪の摂取が多くなり高カロリー食が増えてきました。
動物性脂肪の多い食品は高コレステロールであると言えます。このような食生活の変化が日本女性の体格をよくして初潮を早め閉経を遅くし、乳がん発生の要因のひとつであるエストロゲンにさらされる期間を長くしています。
また、このような食生活は肥満も招きますので、脂肪細胞で過剰なエストロゲンが生成されるということにもつながります。
遺伝の影響
乳がんを発症した方の5~10パーセントが遺伝的に乳がんを発症しやすい体質をもっているとされています。乳がん患者の大部分は食生活などの遺伝以外のさまざまな要因が関与して発症したということになります。
遺伝性のがんであるかどうかは遺伝子検査を受けることで調べることができます。
乳がんや卵巣がんの方が遺伝子検査を受けて、遺伝子の異常が見つかった場合はその後の治療や検診を乳がんや卵巣がんに関して高いリスクをもっていることを前提に受けることができます。また、近親者の検診時にも有用であると言えましょう。
乳がん患者の方が家系内に多ければ多いほど、血縁関係が近ければ近いほど、その方自身が乳がんを発症するリスクは高くなります。
遺伝子検査を受けても受けなくても、遺伝性である可能性が高い場合は患者の方も血縁者の方もそれを考慮に入れて治療や検診を受けることが必要になってきます。
まとめ
乳がん予防に活用できるさまざまな乳がんの原因とは
乳がんとは
乳がん発生の要因としてのエストロゲン
乳がんの原因となる生活習慣
遺伝の影響