今や8人に一人が乳癌を発症すると言われています。若くして乳癌で亡くなられる方も少なくないため、できれば乳癌のリスクは減らしたいものです。乳癌が起きやすい原因がいくつか解明されているため、その原因を知れば、対策がとれるかもしれません。
そこで今回は、 乳癌 を起こす 原因 について詳しくお伝えします。
乳癌の原因を徹底解説!
乳癌と初潮・閉経年齢
月経と乳癌の発生には深い関係があり、初潮年齢が低いほど、乳癌のリスクが上がると言われています。例えば、13歳以下で初潮があった人と比較すると、14~15歳で初潮があった人は数%、16歳以上で初潮があった人は約30%乳癌にかかりにくくなるという研究結果がでています。
これは、乳癌の発生には女性ホルモンの影響が深く関わっているからです。女性ホルモンの一つであるエストロゲンは乳腺組織を刺激して、乳腺細胞の増殖を促します。この細胞が増殖する過程で、一部の遺伝子が傷つき、遺伝子が変異することが乳癌の原因になると考えられています。初潮が早いと、女性ホルモンに暴露される期間が長いため、乳癌にかかるリスクが高くなるのです。
では、閉経との関係はどうでしょうか。初潮と同じ理由で、閉経が遅いほど体が女性ホルモンにさらされる期間が長くなるため、乳癌のリスクが高くなります。49歳以下で閉経を迎えた人と比較すると、50歳以上で閉経した人は、約2%乳癌になりやすいというデータがあります。
初産・出産との関係は?
初産の年齢が早いほど乳癌にかかるリスクが低くなると言われています。これは、生涯の月経の回数と関係しており、月経周期による女性ホルモンの暴露がリスクを高めるからです。
初産の年齢が早い人は、出産回数も多い傾向があり、一生涯の月経回数が少なくなるためリスクが低くなるという理由です。ちなみに、出産回数が1回の人と比較すると、2回出産した人は約5%、3回以上では約30%ほど乳癌にかかりにくいというデータがでています。
逆に、未婚、未産あるいは高齢出産の場合は、一生涯の月経回数が多くなるため、リスクが2~3倍ほど増加すると言われています。
近年では、未婚、子供を産まないという選択をする女性も増加したこと、晩婚化により高齢出産や出産回数が少ない女性が増えたことなどが乳癌発生率を押し上げています。
生活習慣 メタボリック症候群は要注意
前述したように、乳癌の危険因子の一つが女性ホルモンのエストロゲンです。このエストロゲンは脂肪(コレステロール)からできています。これが、現代の乳癌発生率上昇に関わっているのです。
現代の日本は、食の欧米化といわれるように脂肪の多い食事となり、昔と比較して体の発育も体格もよくなりました。そのため、昔よりも初潮が早くなり、逆に、閉経は遅くなっています。
また、食生活や運動不足といった生活習慣に加えて、閉経や加齢により代謝機能が落ちて、脂肪組織が体につきやすくなります。肥満あるいはメタボリック症候群に該当する人は注意が必要です。
なぜなら、閉経後も脂肪組織からエストロゲンが産生され続けて、乳癌のリスクが高くなるからです。
遺伝による乳癌とは
乳癌の要因として、遺伝も関与しており、「遺伝性乳癌」ともいわれます。特に、BRCA1、BRCA2という乳癌の発生を抑える役割を果たす遺伝子に異常がある人は乳癌にかかりやすいことがわかっています。
この遺伝性乳癌は、乳癌患者全体の中で約5%程度と言われており、それほど多いものではありませんが、三親等以内で乳癌を患った人が複数いる場合は、遺伝性が影響している可能性が高いと考えられます。
まとめ
乳癌の原因を徹底解説!
乳癌と初潮・閉経年齢
初産・出産との関係は?
生活習慣 メタボリック症候群は要注意
遺伝による乳癌とは