女性の20人に1人が乳癌になるといわれており、セルフチェックによって胸のしこりなどを常に意識している方もいるでしょう。しかし、しこりだけでは乳癌であると断定することはできません。そのため、検査によって悪性の腫瘍であるかどうかを確定診断しなくてはなりません。
乳癌 の検査としては、 エコー やマンモグラフィーをおこなう場合がほとんどですが、その結果の信頼度も大変重要になります。
エコーやマンモグラフィーによる乳癌検査の信頼度(前編)
癌を発見するためにおこなうこと
乳房に異変を感じたときに、疑わざるを得ないのが乳癌です。体のどこかに異常があり、何らかの病気が疑われると、その部位や病気を確定診断するためのあらゆる検査がおこなわれます。
乳癌を疑う場合、まずは視診、触診がおこなわれます。その後、エコー検査、マンモグラフィー検査などの画像診断がおこなわれます。
この画像診断によって、しこりの大きさや形などから腫瘍が良性か悪性かを概ね判断することができます。しかし、画像で判断することが難しい腫瘍の場合は、さらに細胞に針を刺して直接細胞を採取する針生検やマンモトームという検査がおこなわれます。
また、乳頭から分泌物が出ている場合は、その乳管に造影剤を注入して乳管の病変を撮影しやすくする造影検査や、細いカメラのついたファイバースコープを挿入して乳管の中を直接診る内視鏡検査をおこなうことにより、乳管内の腫瘍が良性か悪性か判断します。
このような検査を状態によっては複数おこなうことにより、乳癌の状態や手術方法、またその後の治療方針を決定していきます。
エコーとマンモグラフィーの違い
さまざまな検査がありますが、ほとんどの乳癌はエコーとマンモグラフィーによって診断されます。この2つの画像検査を両方おこなう場合もありますが、何が違うのでしょうか。
一番大きな違いは信頼度です。エコーはプローブという機械をあてて気になる部位を写しながら病変を見つけ出します。そのため、エコーをおこなう者の技量が大きく影響し、数ミリ程の小さなしこりを発見できることもあるが、1センチ以上の大きなしこりを見逃してしまうこともあるのです。
しかし、マンモグラフィーは乳房専用のレントゲンであり、誰が撮影してもほとんど変わりがなく、特に石灰化はエコーよりも鮮明に写し出すことができます。その反面、エコーでは見つけることが可能な1センチ以下の小さな腫瘍を写し出すことは不得意なのです。
また、年齢によって癌の発生する乳腺の状態や乳房の脂肪組織が変化するため、乳腺がしっかりしている若い世代はエコーの方が見やすく、乳腺が細くなり脂肪の割合が多くなる50代以降はマンモグラフィーの方が見やすいという特徴もあります。
このような特徴から、両方の検査をおこなうことは、診断の信頼度を高めるという目的があるのです。
まとめ
エコーやマンモグラフィーによる乳癌検査の信頼度(前編)
癌を発見するためにおこなうこと
エコーとマンモグラフィーの違い