「エコーやマンモグラフィーによる乳癌検査の信頼度(前編)」では、エコーとマンモグラフィーの違いをご説明いたしました。後編では、年齢別に左右される検査方法をご説明いたします。
乳癌 検査では、 エコー とマンモグラフィーのどちらが優れているのでしょうか。
エコーやマンモグラフィーによる乳癌検査の信頼度(後編)
自治体の検診はなぜマンモグラフィーなのか
エコーもマンモグラフィーもそれぞれ、得意不得意があります。しかし、自治体のおこなう乳癌検診はエコーではなく、マンモグラフィーが用いられます。その理由は、早期発見によって死亡率を減少させることを目的とした対策型検診では、乳癌を発見する効果が高いものが採用されるからです。
欧米などでは、脂肪を含む大きな乳房を持つ女性が多く、そのような方には超音波が乳房の深部までしっかり届かず、腫瘍の発見には適さないのです。
そのため、欧米ではマンモグラフィーを用いた検診が主流であり、検診による早期発見の確立やその後の生存率を検証した場合、世界的に有効とされているのはマンモグラフィーだけなのです。
実際に、乳癌の初期にできる石灰化を発見する能力に長けていることも、マンモグラフィーが用いられている理由のひとつです。
自分に合う検査方法の選択
対策型検診は自治体の負担により、低価格で検診を受けることができますが、自分自身の健康のために受ける人間ドックや癌検診などでは費用がかかる分、検査方法を選択することができます。
その場合は、自分の乳房に合わせた検査方法を選択することにより、検査結果の信頼度を高めることができます。
20代から40代頃までの方は乳腺が発達しており、マンモグラフィーでは乳腺に腫瘍が隠れてしまい判断しづらくなりますが、エコーでは乳腺の中にある腫瘍をはっきりと確認することが可能です。そのため、エコーを優先して選択することをおすすめします。
50代以降の方は閉経に伴い乳腺も細くなるため、脂肪組織の割合が多くなります。そのため、エコーでは腫瘍が脂肪組織に隠れて見えにくくなり、マンモグラフィーでは腫瘍をはっきりと確認しやすくなります。
また若い世代の方でも乳房が大きい方は脂肪組織の割合が多くなり超音波が深部まで届きにくくなるため、エコーよりもマンモグラフィーを選択することをおすすめします。
その他、放射線の被曝が心配な方や妊娠中の方は、超音波検査であるエコーを選択するとよいでしょう。また、マンモグラフィーは乳房を圧迫して撮影するため、その圧迫に耐えられない方や頻繁に検査をする必要のある方は、エコーを選択した方が正確な診断を得られやすくなります。
まとめ
エコーやマンモグラフィーによる乳癌検査の信頼度(後編)
検診はなぜマンモグラフィーなのか
自分に合う検査方法の選択