「メニエール病の症状とうまく付き合う方法(前編)」では、メニエール病の症状や社会活動に及ぼす影響についてご説明いたしました。後編では、 メニエール病 の 症状 があらわれた際の対処方法や発作を起こしにくい体の作り方をご説明いたします。
メニエール病の症状とうまく付き合う方法(後編)
症状があらわれたときの対処法
メニエール病は治らない病気といわれており、症状は軽快していくものの、きっかけによって活動期へと移行する可能性があります。
しかし、そのたびに社会生活が妨げられてしまうと、精神的にも辛くなってしまいます。そのため、症状があらわれたときの対処法を身につけ、冷静に対応するようにしましょう。
めまいが起こったときに最も怖いのは、ふらついて倒れたり、頭をぶつけるなどの怪我をすることです。そのため、まず大切なことは、めまいの前兆を感じたらその場で姿勢を低くすることです。
そして、病院で処方されている抗めまい薬や吐き気止め、安定剤などがあればすぐに服用して体を休めます。その際、症状を感じる側を上にして横になり、音や光などの刺激を避けて安静にします。
また、目を開けているとめまいを強く感じやすいので、目を閉じて目を冷やすと楽になることがあります。
発作のときに救急車は呼ばない
突然激しい発作が起きた場合は、周囲の方は心配し、どのように対応したらよいか戸惑ってしまうでしょう。動くことができないと救急車を呼ぶことがあります。
しかし、めまいが激しいときに救急車に乗せられると、振動でさらに症状が強くなり余計に辛くなってしまいます。また、搬送先ですぐに対処してもらえるとは限りません。そのため、救急車を呼ぶのを待ってもらい、処方されている薬を服用して症状が少し落着くまで安静にしている方が良いです。
数時間かかることもありますが、安静にしていることで治まることを説明し、静かな場所で休ませてもらいましょう。
発作が治まってからもしばらくは、ふらついたり体調が悪い状態が続く場合があります。そのため、頭を大きく動かす動作は避け、着替えや洗顔などもできるだけ座って行うようにします。
歩くときには壁や手すりを利用して体が傾いていかないように注意しながら移動し、足元はすべったり転びにくい靴を着用しましょう。
発作を起こしにくい体づくり
何度も辛い症状を起こさないために、メニエール病を理解して治療することが大切です。医療機関では薬物療法やリハビリなどを行うことができます。しかし、それは対症療法であり、根本的に治す治療ではありません。
メニエール病の原因は、はっきりとわかっていないものの、ストレスや生活習慣が影響している可能性が考えられているため、食生活やストレスを溜め込まない生活環境を整えることが重要です。
食生活では、塩分を取りすぎると内リンパ水腫を悪化させる可能性があるといわれているため、塩分を控えバランスの良い食生活を意識します。
体に余計な緊張を残さないよう、適度な運動と十分な睡眠をとることにより体にかかる負担を軽減させます。また、ストレスを解消できる趣味をみつけたり、適度に深呼吸をすることでもリラックス効果があります。
このように、すぐにでも簡単にできる生活改善を行い、発作を起こしにくい体質を作ることも大切です。
まとめ
メニエール病の症状とうまく付き合う方法(後編)
症状があらわれたときの対処法
発作のときに救急車は呼ばない
発作を起こしにくい体づくり