めまいや耳鳴りなどの症状を起こす病気といえばメニエール病を思い浮かべる人が多いと思います。それほど認知されているメニエール病ですが、実はその診断は医師でも簡単ではありません。
メニエール病 の 診断 基準とはどのようなものなのでしょうか?
メニエール病の診断は専門医にまかせよう
メニエール病の原因
メニエール病のさまざまな症状は内耳のリンパ液が増えすぎて水ぶくれの状態になってしまっていることが原因で起こります。このような状態を内リンパ水腫といいます。女性に多くみられ、ストレスや睡眠不足、気圧の変化、さらには几帳面すぎる性格が関係しているともいわれています。
メニエール病の診断基準
メニエール病の代表的な症状というとめまいを思い浮かべることが多いですが、実際にはめまいをともなう病気はメニエール病以外にも数多くあります。そのためメニエール病と診断するにはさまざまな検査を行い厳密な診断基準に則っていることが必要となります。
メニエール病の診断基準をわかりやすくいうと「難聴、耳鳴り、閉塞感のような聴覚障害をともなうめまいの発作が何度も繰り返す」となります。この中で最も注目すべきは「何度も繰り返す」という点で、めまい発作や難聴発作が1度起きただけではメニエール病と診断することはできません。
この診断基準を満たしなおかつ他の類似の病気ではないと確定されて初めてメニエール病と診断されます。
メニエール病に似た病気
メニエール病のようにめまいや耳鳴りなどをともなう病気は多く、メニエール病とよく似た症状ではあるがメニエール病と診断できない病気の総称としてメニエール症候群という呼称があるほどです。
メニエール病の初めての発作時ではめまいをともなう突発性難聴との区別は医師でもなかなか難しい場合があります。
その他にもメニエール病とは別の内耳の病気や小脳、脳幹などに原因のある病気にもメニエール病とよく似ためまいや耳鳴りなどの症状をあらわすものがあります。メニエール病と確定診断するためにはこのような病気との鑑別が必要です。
メニエール病の検査
メニエール病の診断に用いられる代表的な検査は平衡機能検査、眼振検査、聴力検査、グリセロール検査、フロセミド検査になります。
身体のバランスを調べる平衡機能検査では内耳の障害の有無を調べます。眼振検査はめまいの検査としてよく用いられる検査で問診では聴取できなかった隠れためまいの症状がないかを確認します。
逆に問診では聴覚障害を聴取できなかった場合でも聴覚検査を行い隠れた聴覚障害がないかを確認します。
グリセロールとフロセミドはどちらも利尿作用のある溶液で、これらを点滴により投与した後聴力検査や前庭刺激検査を行い数値に改善がみられる場合は内リンパ水腫が疑われメニエール病である可能性が高くなります。
さらにCTやMRI検査を行う場合もあります。メニエール病自体はCTやMRIでは診断することはできませんが、症状が類似している脳神経系の病気ではないことを確定するために用いられます。
このように脳や内臓の検査を行いめまいや耳鳴りなどの症状の原因が脳や内臓ではなく内耳にあると確定されて初めてメニエール病と診断されます。
早期発見・早期治療の重要性
メニエール病の診断は容易ではなくほかの病気と間違えやすいため発見が遅れるケースがあります。メニエール病は発見が遅れると治療に時間がかかる傾向があります。早期発見することで症状も軽くすみ治療期間も短くてすみます。
多少のめまいや耳鳴りの症状があっても疲れが原因だと軽く考えがちですが同じような症状が繰り返し起こるようであれば一度病院を受診することをお勧めします。
メニエール病を疑って病院を受診する場合は耳鼻科やめまい外来を選択するのが良いでしょう。難聴や耳鳴りなどの聴覚障害が強ければ耳鼻科へ、めまいの症状が強ければめまい外来を受診するのが望ましいです。
早期発見、早期治療を行うためにできるだけ早く専門医を訪れてメニエール病であると診断してもらうことが重要です。
まとめ
メニエール病の診断は専門医にまかせよう
メニエール病の原因
メニエール病の診断基準
メニエール病に似た病気
メニエール病の検査
早期発見・早期治療の重要性