鍵をかけたか不安になり、なかなか出勤できない、毎日何度となく手を洗ってしまう、このような 強迫性障害 は、ほとんどの人が 親 のしつけや、育て方に 原因 があると考えているようですが、実際はどうなのでしょうか。
強迫性障害の原因は親にあり?
強迫性障害とは?
強迫性障害とは、自分でもおかしいとわかっているのに、同じ行為を繰り返してしまう病気です。
心の中に湧き上がってくる不安要素は、病気になった人それぞれですが、その不安要素を払拭するために行動を起こします。そして行動を起こす事で、気持ちを安心させるのです。
しかし、不安を感じる度に、行動するようになり、ひどい時は日常生活に支障をきたすようになってしまいます。
症状としては三つにわけられます。
1つは不潔恐怖です。
これは誰が見てもわかるように、手や足を必要以上に洗ってしまいます。取っ手や小銭なども悪化すると触れなくなり、汚れるのが嫌で外に出られなくなります。
2つ目は確認行為です。
家の鍵を閉めたか、ガスは消したか、電気は消したか、確認行為に時間を異常にとってしまい、日常生活に支障がでるどころか、家族まで巻き込んで悪化していきます。
3つ目は加害恐怖です。
駅で人と肩がぶつかっただけで、もしかしたらその人がホームに落ちたかもと思い込み、また同じ場所に戻って確認し、車の運転中に人影が見えただけで、轢いてしまったかもと思い込み、同じ場所に戻って確認するなど、自分が何か大事を起こしてしまったような錯覚に陥り、それを払拭出来ずに他人にすら確認するようになります。
このように普通なら、不安に思わないような日常生活の中の出来事を、異常なくらい不安に感じ、それを正そうと何度でも行動にうつすのが、強迫性障害の目に見える症状です。
強迫性障害は親が原因?
強迫性障害でよく言われているのが、親が原因という言葉です。
しつけが厳しかったから、親に問題があるから、と言われがちですがあながち間違ってはいない部分もあります。
たとえば過干渉な親だと、失敗して学ぶ事よりも失敗しない方に導くしつけの仕方をします。
しかし、子どもというのは残念ながら失敗した方が、自分自身で学ぶことやチャレンジすることを覚えるようにできています。
失敗をしないようにしつけることが、悪いことではありませんが、失敗を恐れるあまりに、強迫性障害に陥ってしまうこともあるのです。
そして見逃しているのが、親自身も実は強迫性障害を持っているのに、気づかないまま子育てをしてしまうことです。
現代では、強迫性障害と病名がついていますが、昔は病名もなくただの癖や神経質などの言葉で、終わってしまう病気でした。
ですので、他の人の家に比べると手を洗う回数が多いとか、帰ってきて手だけじゃなくて、足も洗うなんて習慣が身についている人は、親も強迫性障害の可能性を疑った方が良いでしょう。
強迫性障害になる原因としては、親から受ける影響はとても大きいようです。
性格も影響する?
強迫性障害の原因として、親の影響も大きなものですが、やはり自分自身の持って生まれた性格も影響を与えます。強迫性障害になりやすい人には、共通点がたくさんあります。
まずは完璧主義者です。物事を完璧にこなせないと気持ち悪く感じ、徹底的に完璧を貫こうとする人や、責任感が強く、あいまいなことが大嫌いで、自分の考えや気持ちを常にコントロールしたがる人がなりやすい傾向にあります。
ですので、責任重大な仕事もテキパキとこなして、いつも忙しくして、常にイライラしてストレスを抱え、気を抜く暇のない人は、強迫性障害に陥りやすくなります。
強迫性障害は悪い病気ではない?
強迫性障害は、病気として悪い病のように言われがちですが、実はこの病を専門分野でうまく活用してきた人たちがたくさんいます。
昔なら生物学者のダーウィンや、芸術家のサルバドール・ダリ、歌手のマイケル・ジャクソンもこの病だったと言われています。
強迫性障害になったからといって、落ち込むことよりもうまく活用して、自分の持つ得意分野に生かして行くという事を考えてもいいのではないでしょうか。
しかし、病気にならないことが一番良いので、完璧主義だと感じている人は、物事を白と黒で決めるのではなく、あいまいなグレーもあるのだと自分自身に言い聞かし、時には感情的に泣いてみて、時にはボンヤリする時間を作ってみたりと、自分自身の生活を振り返る時間を儲けてみることが、予防につながります。
まとめ
強迫性障害の原因は親にあり?
強迫性障害とは?
強迫性障害は親が原因?
性格も影響する?
強迫性障害は悪い病気ではない?