最近太った、生理が来ない、そういえば体毛が濃くなった気がする……これらはクッシング症候群によくみられる症状です。 クッシング症候群 はホルモンの過剰分泌により様々な症状を示す病気なので、それらの症状が当てはまる人は病院を受診しましょう。
最近太ったのはクッシング症候群が原因かもしれません!
最近このような症状はありませんか?
「最近顔が真ん丸になったけど、太ったせいだろう。」、「生理が来なくなったから、そろそろ閉経したのかな。」、「気分が落ち込むことが増えたけど、更年期なのかしら。」、「血圧が高いって病院で言われたけど、私も年をとったのね。」これらの言葉に思い当たる人はいませんか。
これらは肥満や閉経、高血圧などの他疾患でも起こりますが、クッシング症候群ですべてみられる症状です。クッシング症候群は様々な原因によりコルチゾールと言われるホルモンが過剰に分泌され、そのコルチゾールの作用により様々な症状を示します。
よくみられる症状としては、肥満があります。クッシング症候群の肥満には特徴があり、顔と体幹に脂肪が集中し、手足はやせ細ります。顔は真ん丸になるため、満月様顔貌と言われています。
また、肩甲骨の付近にも脂肪がつき、水牛様肩と言われています。他の特徴的な症状として、高血圧があげられます。肥満と高血圧はクッシング症候群の患者さんの80%にみられる症状なので、注意が必要です。
また、体幹が太るため赤色皮膚線条が起こります。これは妊娠線のようにお腹周りに線が入る症状です。妊娠線と違い赤い線が入ります。
その他にもクッシング症候群では、浮腫や筋力低下、骨粗鬆症、糖尿病、皮下溢血、精神症状、易感染性、月経異常、多毛、にきび、色素沈着などがみられます。
原因もいろいろあります
クッシング症候群は何らかの原因により、副腎から産生されるコルチゾールが過剰に分泌されることで起きる疾患です。コルチゾールが過剰に分泌される原因には外因性と内因性があります。
外因性とは、外から体内に取り入れるものが原因となり、クッシング症候群の症状を示すものです。ステロイドの長期投与によるものや、アルコールによるものなどがあります。内因性の原因とは腫瘍が原因となりクッシング症候群の症状を示すものです。
コルチゾールは下垂体から産生されるACTHの作用により分泌をコントロールされています。そのため、下垂体に腫瘍ができ、ACTHが過剰に産生されるとコルチゾールも過剰に分泌され、クッシング症候群になります。
また、ACTHは視床下部から産生されるCRHの作用により分泌をコントロールされています。そのため、視床下部に腫瘍ができ、CRHが過剰に産生されると、ACTHも過剰に産生され、最終的にコルチゾールも過剰に分泌されることになります。
その他にも副腎に腫瘍ができることによりコルチゾールが過剰に分泌されることもあります。これらの腫瘍は良性のこともありますが、下垂体や副腎にできた癌の可能性もあり、また、肺癌など他の部位にできた癌がACTHを産生することで起きる可能性もあります。
治療は何をするの?
クッシング症候群の症状がみられた際は、様々な検査をしてクッシング症候群の原因を調べます。クッシング症候群の原因がわかったら、次はそれぞれの原因に合った治療を行っていきます。
まず、副腎腺腫・副腎癌の場合は、外科的に腫瘍を摘出します。腫瘍の大きさが小さい場合は体腔鏡下腫瘍摘出術を行います。体腔鏡下腫瘍摘出術の適応がない場合は開放手術によって腫瘍摘出を行います。
また、副腎皮質過形成の場合は両側副腎の摘出後、ホルモン補充療法を行います。副腎からはコルチゾールだけでなく様々なステロイドホルモンが作られているので、それらを補充する必要があります。
また、下垂体腺腫の場合は経蝶形骨洞手術、ガンマナイフ、薬物療法などを行います。異所性ACTH産生腫瘍の場合は腫瘍摘出を行います。
最後に
クッシング症候群は様々な原因で起こり、様々な症状を示す疾患です。高血圧や糖尿病になると、将来的に脳出血や失明などが起こるリスクが高まります。
また、良性腫瘍だけでなく、癌の可能性もある疾患です。クッシング症候群を疑った際はすぐに病院を受診し、検査を受けましょう。
まとめ
最近太ったのはクッシング症候群が原因かもしれません!
最近このような症状はありませんか?
原因もいろいろあります
治療は何をするの?
最後に