CMではありませんが、「食べたいのに痛い」口内炎の症状はつらいものです。 口内炎 を早く治す方法として 塩水 でうがいをするとか塩をすりこむということを耳にされたことがあるかもしれません。
口内炎に塩は効果があるのでしょうか。その功罪についてご紹介いたします。
口内炎に塩水でうがいは効果がありますか?
口内炎の起こるメカニズム
ビタミン不足・過労やストレス・ウイルス感染や外的刺激などの原因により粘膜を正常に保つことができなくなると、たんぱく質分解酵素の一種であるプラスミンという物質が発生します。
プラスミンが増大し続けると炎症のものになるヒスタミンや痛みのもとになるプロスタグランジンやブラジキニンが発生して血管を拡張します。
炎症が起こるとこれらの物質が血管から漏れ出てむくみや痛みが出現します。さらに炎症が続くと、粘膜の表面がただれてびらんの状態になり、ただれた部分がえぐられて口内炎になってしまいます。
上述のように、一口に口内炎と言ってもその原因はさまざまです。
代表的なものだけでも、過労や免疫力の低下が原因と考えられる「アフタ性口内炎」・ウイルスや細菌の増殖が原因と考えられる「ウイルス性口内炎」・物理的な刺激が原因と考えられる「カタル性口内炎」などがあります。
その他にも、特定の食物や金属による「アレルギー性口内炎」や喫煙の習慣による「ニコチン性口内炎」など口内炎の原因は多岐にわたります。
口内炎に塩という発想
口内炎の市販薬やうがい薬が手元にない場合に殺菌作用に期待して塩を用いるというのはよくあることです。塩は歯磨き剤として用いられてきた歴史的な経緯もありますし、現在でも歯茎の引き締め効果も期待して塩を配合した歯磨き剤が存在するほどです。
塩の他にもハチミツや梅干しなど殺菌効果の期待できる食材が口内炎の民間療法に使用されています。
口内炎を治すには口の中の細菌の繁殖を抑えることが大切になってきますので、塩をはじめとする殺菌効果のある食材はある程度の効果があると言うことができるでしょう。
ただし、いずれも口の中や患部をある程度殺菌することによって症状を和らげる対症療法であって、根本的な治療にはあたりません。
効果に非常に個人差が大きいのは、口内炎の原因や症状がひとりひとり違っているからです。例えば軽い風邪ならば塩水でうがいをして治すことが可能ですが、インフルエンザウイルスに侵されている場合にはそうはいかないのと同じことが口内炎でも起こります。
疲れから「アフタ性口内炎」ができた初期に塩水でうがいをして治りを早めることはできるかもしれませんが、「ウイルス性口内炎」の根本的な治療にはなりません。
また、塩やハチミツ、梅干しなどの殺菌作用は効果があるものの、塗布する際の清潔にも注意を払う必要があります。塗布する手指や綿棒などに菌がついていたのでは逆効果になってしまいます。
いたずらに傷口を大きくしてしまうということにもなりかねません。
塩水うがいの注意点
食塩水や市販のうがい薬を用いてうがいをする場合には1度のうがいで20mlくらいの量が適量だとされています。
まず、1回目は口の中に含んだままやや強めに20秒ほどブクブクうがいをします。このうがいで食べ物のカスなどを取り除きます。
2回目は上を向いて、喉の奥まで20秒ほどガラガラうがいをします。
3回目も2回目と同様にガラガラうがいをします。最後に水でうがいをして洗い流します。
塩水やうがい薬を口の中に残しておいた方が効果的だと考えられるかもしれませんが、塩水やうがい薬は口の中の細菌を少なくする反面、口の中の細胞も傷つけるという側面があるのです。
最後に水でうがいをするのは口内炎を治そうと働く細胞を傷つけないためです。
このようなうがいによって口の中の細菌は10分の1程度に減らすことが可能で、効果は3時間以上も持続するという報告があります。このうがいを朝昼晩の食後と就寝前に行うと効果的だと言われています。
とくに、唾液が少なくなって、口が乾く夜間の睡眠前のうがいは口内炎予防のために非常に有効だとされています。
まとめ
口内炎に塩水でうがいは効果がありますか?
口内炎の起こるメカニズム
口内炎に塩という発想
塩水うがいの注意点