「歯茎にもできる口内炎やデキモノの正体とは(前編)」では、口のなかにできるできものの種類についてお伝えいたしました。後編では、できものの中でも特に治療が必要な潰瘍や歯が原因でおこる 歯茎 異常についてお伝えします。
口内炎 をつくらないためには、口腔内の清潔を維持することと体調管理が大切です。
歯茎にもできる口内炎やデキモノの正体とは(後編)
治療や注意が必要な潰瘍
口内炎の中でも、最もつらいといわれているのがヘルペス性口内炎です。これは、へルぺスウイルスに初感染したときに多くあらわれる症状であり、ほとんどの方は成人を迎えるまでに感染しているといわれています。
しかし、一度感染すると体内にヘルペスウイルスが眠っている状態であり、大人になってからも免疫力が低下したときにあらわれることがあります。
症状は、38℃以上の高熱と口の中にいくつもできる水泡状の口内炎です。この口内炎が破れると激しい痛みを伴うため、食事だけでなく水分も取れなくなる場合があります。そのため、症状によっては入院治療となる可能性もあります。
また、症状を抑えるために、抗ウイルス薬による治療が必要です。また、同じコップや箸、タオルなどから感染する恐れもあるため、別々に使用するようにします。
もうひとつ、注意が必要な口内炎があります。それは、常在細菌であるカンジダというカビの一種が異常に増え、全体的に広がるカンジダ性口内炎です。カンジダ菌は誰でも持っている常在細菌ですが、通常は害のないものです。
しかし、免疫力が低下するような病気にかかっていると、カンジダ菌の方が勢力が強くなり異常に増えてしまうのです。そのため、免疫力の低下するような薬を使用していないのにカンジダ性口内炎ができてしまった場合は、身体に病気が潜んでいないか調べる必要があります。
歯が原因でおこる歯茎の異常
口内炎のように白いものが歯茎にできることがあります。もちろん、傷や感染症などが原因の口内炎が歯茎にできることもありますが、口内炎のようにしみる痛みではなく、押すと痛みがあったり大きく腫れるデキモノがみられることがあります。
これは、虫歯や歯をぶつけたときの衝撃で歯の根っこが死んでしまったり、既に治療済みの歯の根っこ部分に膿がたまってできる歯根のう胞である可能性があります。
口内炎と違って、白いデキモノが破れると膿がでてきたり、腫れと同時に歯の痛みを伴うことがあります。治療をしないまま放置すると、膿が歯を支える骨を溶かし炎症を広げてしまう恐れがあります。
また、大きくなるほど治療も大掛かりになってしまいます。そのため、早めに歯科医院で適切な治療を受ける必要があります。
口の中の清潔と体調管理
口内炎ができないようにするためには、口腔内の清潔を維持することと体調管理が大切です。歯磨きのときに使用する歯磨き粉は爽快感を得られる成分が含まれているため、実際にきれいに磨けていなくても口の中はすっきりとしてしまいます。
また、力を入れて磨いても、汚れを落とせるわけではありません。そのため、まず歯磨き粉をつけずに毛先の開いていない歯ブラシと歯間ブラシやフロスなども使用して、優しく細かな部分の汚れまできれいに落とし、その後着色や口臭を防ぐために歯磨き粉を使用するようにします。
もしも、毎食後の歯磨きに時間をかけることができなくても、1日1回寝る前に時間をかけて磨くだけでも十分効果があるといわれています。
また、体調不良により免疫力が低下していると口内炎ができやすくなります。日頃の生活習慣を見直し、バランスの取れた食事や規則正しい生活を心がけることも大切です。
まとめ
歯茎にもできる口内炎やデキモノの正体とは(後編)
治療や注意が必要な潰瘍
歯が原因でおこる歯茎の異常
口の中の清潔と体調管理