自己免疫疾患とは、体の免疫機能が自分の体の組織や細胞に対して攻撃をしてしまう病気のことで、それらの全身性自己免疫疾患を総称して「膠原病」と呼んでいます。
膠原病の症状は多岐にわたり、かつ全身にみられますが初期の代表的な症状として発熱や リンパ 節の腫れ、またSLEでは 口内炎 があらわれる場合があります。
膠原病の代表的な初期症状であるリンパの腫れや口内炎
発熱や関節の痛みは膠原病の初期症状
膠原病は初期の頃はなかなか気づきにくい病気です。最初はなんだか体調がよくない、疲れがたまっているなどといった小さな違和感程度のことも多く、病気とは思わないまま我慢してしまうことも多いからです。
膠原病の初期症状として代表的なものは、発熱や体重減少、リンパ節の腫れ等です。また、全身性エリテマトーデスの場合は口内炎があらわれることもあります。
発熱はよくみられる症状
発熱は膠原病ではよくみられる症状のひとつであり、あらわれ方もさまざまですが大まかな傾向として、微熱が続く場合、高熱が出る場合、発熱と解熱を繰り返す場合とにわけることができます。
週単位や月単位で37度台の微熱が続く症状は多くの膠原病で起こり、毎日発熱するものの1日の中で平熱の時間帯もあるというのが特徴です。高熱の場合はスチル病が疑われます。スチル病という病気は子供にも大人にも起こりますが、発熱時も元気なことが特徴です。
高安動脈炎と全身性エリテマトーデスでは微熱が出たり自然に解熱したりを繰り返します。しかし、これらの発熱症状は膠原病だけではなく感染症や悪性腫瘍等他の病気でも高い確率で起こるため、発熱が続く場合は早めに医師の診察を受けることをお勧めします。
リンパ節の腫れ
膠原病になると、発熱以外にも体重が減る、疲れやすい、リンパ節が腫れるといった症状があります。首やわきの下、鼠径部(うちももの付け根)等のリンパ節が腫れることがありますが、腫れた部分を触ったり押したりしてもほとんど痛みを感じず、また触った時の感触が柔らかいのが特徴です。
これに対して、細菌やウィルスに感染したときにも同様にリンパ節が腫れますが、触ると痛みがあります。また、がんのリンパ転移の場合にもリンパ節が腫れます。しかし痛みはなく、触った時にごつごつとした固い感触であるのががんの特徴です。
このように病気によってリンパの腫れ方にも違いがありますので、膠原病のリンパ節の腫れについて知っておくとよいでしょう。
口内炎ができるのはSLEとベーチェット病
SLE(全身性エリテマトーデス)の場合は全身症状以外に、潰瘍を伴った口内炎が初期の段階でしばしば認められます。SLEの口内炎は痛みをほとんど感じないのが特徴的であり、口内炎そのものの痛みよりも食べ物や飲み物を飲み込む時の違和感や痛みで気づく患者も多くいます。
発生場所は硬口蓋(こうこうがい・前歯の後方部の上あごの部分)が最も多く、頬の内側や歯肉にもよくみることができます。口内炎は他の症状に先立ってあらわれることも多く、SLE診断のヒントになりえます。
一方、ベーチェット病の場合も初期症状として発病のほとんどの人に潰瘍を伴った口内炎が認められます。しかしベーチェット病の口内炎はSLEの場合と異なり、痛みがあるというのが特徴です。
他にも初期症状はさまざま
発熱や体重減少、リンパ節の腫れや口内炎以外にも実に様々な異変が膠原病にはあらわれます。
病気によっても異なり、また個人差もありますが、代表的な症状として関節の腫れ、こわばりといった関節の異変、筋力の低下による脱力感や筋肉痛等の筋肉の異変、皮膚症状としては顔を中心とした全身の皮疹やレイノー症状、皮膚の硬化が膠原病全体に共通して出やすい初期症状です。
全身性エリテマトーデスでは髪がもろく折れやすくなり、また脱毛することもあります。爪が薄くなる、もろくなる、変形するといった症状があらわれることもあります。
まとめ
膠原病の代表的な初期症状であるリンパの腫れや口内炎
発熱や関節の痛みは膠原病の初期症状
発熱はよくみられる症状
リンパ節の腫れ
口内炎ができるのはSLEとベーチェット病
他にも初期症状はさまざま