膠原病とは 感染症という言葉と同じように、ひとつの病気ではなく数多くの病気の総称です。膠原病に共通した 症状 というものはあるのでしょうか。
膠原病の症状を膠原病共通の初期症状やそれぞれの病気の症状にも着目してご紹介いたします。
膠原病とはどのような症状から進んでいくものですか?
膠原病の初期症状
複数の病気の総称である膠原病は、それぞれの病気によって初期症状も違ってきますが、共通して膠原病を疑うような初期症状もあります。
一般的によく言われているのは風邪症状に似ているということです。微熱が続いたり、高熱が出たりして風邪と診断されたものの抗生物質が効かないことで膠原病を疑うというようなことが多くあるようです。
全身倦怠や関節痛も膠原病によくある症状です。関節や筋肉の痛む箇所が複数ある場合や痛む場所が変わる場合には膠原病の疑いが強くなります。
寒い朝や冷たい水に手足を入れたときに急に手足の指先まで蒼白や紫色になるレイノー現象とよばれるものも膠原病の特徴的な症状です。これは手足の先まで血液が十分に行き届かないことが原因で起こる冷え性に似た症状です。
皮膚症状として、肌が敏感になり、日光を浴びると赤くなったり、特有の発疹ができたりします。また、リンパ腺が炎症を起こして腫れることもあります。膠原病によるリンパ節の腫脹の特徴は痛みを伴わないことだと言われています。
手足だけでなく、腕や足全体、顔全体にしびれを感じる場合があります。
それぞれの病気の症状
関節リウマチ
関節リウマチの初期症状は起床時の関節のこわばりです。起床時に1時間以上関節がこわばった感じが続くようであれば、関節リウマチの初期症状である可能性があります。
関節痛や関節の腫れなども起こってきますが、関節リウマチの特徴として、左右対称で複数の関節に起こることがよく知られています。中でも上肢の関節に強い痛みが出ることが多いようです。
炎症が進むと関節本来の機能が失われ、関節内の骨や軟骨が破壊されてしまいます。骨粗鬆症を起こして圧迫骨折を引き起こすこともあります。
全身性エリテマトーデス
全身症状として発熱・全身倦怠・食欲不振・関節症状・皮膚症状などありとあらゆる症状があらわれます。最大の特徴的な症状は蝶型紅斑に代表される皮膚に生じる発疹です。
混合性結合組織病
全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎の症状が混在する混合性結合組織病は症状も多岐にわたります。代表的な初期症状は上述したレイノー現象です。また、手の甲や指の腫れも混合性結合組織病の方の大多数にみられる症状です。
強皮症
膠原病に分類される全身性強皮症は皮膚や内臓の硬化や線維化が生じるために、皮膚・肺・腎臓などの臓器にも変化がみられます。
起床時のこわばりやレイノー現象は強皮症の初期症状としてもよくみられます。また、胸焼けや食べ物が逆流すると感じる場合もあるようです。
高安動脈炎
若い女性に多発するという高安動脈炎は大動脈を中心にした大型血管に血管炎を生じるものです。初期症状としては発熱・全身倦怠感・食欲不振・体重減少など風邪症状に似たものが多いようです。高安病では障害された血管の部位によってさまざまな症状が出ます。
たとえば、上腕動脈に発症すると腕が疲れやすかったり、脈がふれなくなったりすることから、「脈なし病」と呼ばれるようなこともあります。
高安病の患者の3分の1の方が大動脈付近にも炎症が及ぶために大動脈弁閉鎖不全症という病気を合併するなど、重要な臓器の機能低下をきたす可能性のある病気です。
膠原病の症状に関する注意点
他のどのような病気もそうであるように、膠原病も早期発見・早期治療が非常に大切です。また、膠原病の特徴として、寛解といって症状が一時的に落ち着いた後の維持治療が大切なことがあげられます。
完全に治癒することはなかなか難しい病気ですが、現在では治療法が確立して長く寛解の状態を維持していくことができる病気も増えてきました。
専門医の下でしっかりと治療することで寛解の症状を長く維持することが大切になってきます。
まとめ
膠原病とはどのような症状から進んでいくものですか?
膠原病の初期症状
それぞれの病気の症状
膠原病の症状に関する注意点