膠原病は病名ではなく、ある定義に基づいた分類に入る数多くの疾患の総称だということをはじめて耳にする人も多いと思います。そのため疾患によって 初期症状 もさまざまです。発病者においても男女比では女性の方が圧倒的に多いということにも驚きます。
今回は 膠原病 を紹介します。
膠原病の初期症状を見逃さず早期治療へ(前編)
膠原病とは?
膠原病とは一つの病状を指す病名ではありません。1942年にアメリカの病理学者ポール・クレンペラーによって提唱されたもので、全身の結合組織に対してリウマチ性疾患、統合組織疾患、自己免疫疾患の3つが組み合わさった疾患の総称として使われています。
欧米では膠原病を結合組織疾患やリウマチ性疾患という名称が使われています。通常人間の体はウイルスなどの外敵に対して防衛する働きをもっています。しかし膠原病は何らかの原因で外敵ではない自身の有効な免疫に対して攻撃をしてしまい臓器や組織に障害をもたらしてしまうのです。
膠原病の定義に該当する病気は多数あって、日本ではその定義に合った疾患の分類を膠原病という総称で呼ぶことが多いのです。
膠原病の原因として遺伝、薬の影響、ストレスなども大きくかかわっている可能性が高いと考えられていますが、これだけ医学が発達しても未だはっきりとは解明されていません。
また膠原病として分類される疾患も多数に渡るため、初期症状の出方も疾患ごとにさまざまです。最も共通した初期症状では発熱や関節痛、全身の倦怠感、疲れやすいなどがあげられます。
風邪に似た症状が出ることが多いため市販の風邪薬でしのいでしまったり、はじめのうちは病状をあまり重く受け止めない人がほとんどのようです。
しかし一般的な風邪とは異なり高い熱はほとんど出ない場合が多いにもかかわらず微熱状態が何週間も続いたり、強い体の震えが出ることもあります。感染症でないためのどの痛みは基本的にはありません。
また体に力が入りにくい状態になる場合があります。膠原病に含まれる多発性筋炎や皮膚筋炎では最初は単なる疲労感や筋肉痛のような初期症状があり、日が経つにつれ全身の筋力の低下に加え痛みが生じるようになります。
腕が上がらなくなったり指先の筋力も低下するため、髪の毛をとかすことや手で何かをつかむことさえも難しくなります。
それ以外にも寒冷時に手指が白くなりじんじんしびれが起こったのち手指関節の皮膚が紅色に腫れた状態になります。
そのほか疾患によって体重減少、発疹、結膜炎、知覚障害、口内炎、口の渇き、薄爪になり横縞があらわれたりする場合もあります。
まとめ
膠原病の初期症状を見逃さず早期治療へ(前編)
膠原病とは?