膠原病は、難病指定になっており治療も難しい病気の一つです。発病する原因の一つに遺伝をあげる場合もありますのでなかには、膠原病は遺伝病だと思われている方も多いようです。
では 膠原病 は実際のところ 遺伝 病なのでしょうか。そのような点についてご説明します。
膠原病は遺伝をするものなのでしょうか!
膠原病の症状とは
膠原病では、リュウマチ性疾患として筋肉や関節にこわばりや痛みがでる病気です。また免疫に異常がみられる自己免疫疾患や結合組織疾患といわれる細胞間の結合組織などに異常がみられる病気でもあります。
このような3要素がみられる疾病で、発病の原因としては不明な部分が多いのですが、さまざまな要因がいくつか重なり合って発病するのではないかと考えられています。
膠原病の症状としては、全身症状として微熱が続き体重が減少します。また気力がなく、疲れやすいという面があります。発熱した場合でも抗生物質が効きません。
筋肉や関節が痛んだり腫れて力が入らない状態になり、皮膚に赤い斑点が現れて硬くなることや黒ずみやしこりになることもあります。さらに手指の色が紫色や白色に変色するレイノー現象が現れます。
その他に脇の下や首のリンパ腺が腫れ、目がゴロゴロし下肢や顔がむくみ口が渇くという症状も出ます。これらの症状が一つではなく複数で現れた場合に膠原病が疑われるようです。
膠原病の要因とは
環境因子として考えられるものとしては、薬物や感染症、日光、紫外線照射、シリコンなどの異物注入での美容形成があります。
また外傷や外科的手術、妊娠や出産、ストレスや寒冷等のさまざまなものが考えられています。また発病した場合の症状をこれらの因子が悪化させるということもあります。
免疫異常では、妊娠のできる年齢層の女性に膠原病が多く発病することがあります。この点から女性ホルモンが発病の原因の一つに関係し免疫の異常を高めているのではないかと考えられています。
遺伝的な要因としては
膠原病は、遺伝性の病気ではないのですが罹患しやすい素因や体質と言えます。遺伝子のHLAと呼ばれるものの研究が進んだことによって膠原病の一部では、遺伝的なものが関係しているのではないかと考えられています。
膠原病の素養をもともと持つ遺伝子があるという点までは、わかってきています。
体質や見た目が親と子で似ているのは遺伝子によるものです。このような点で、膠原病を親が罹患した場合膠原病に子どもがなりやすい遺伝子を持つという確率は、いくらかは上がります。
遺伝的要素であって膠原病は遺伝病ではない
身内に膠原病を持つ方がいた場合に血縁がある他の身内の方が膠原病をわずらうということがあります。そのような点で遺伝的要素であるとは考えられますが、膠原病が遺伝病であるというようなことではありません。
例えば、遺伝病であればリウマチの場合の例ですが、一卵性双生児の片方の方がリウマチになった場合には、もう片方の方の発症率は100%に近いはずです。しかし実際には30%程度なのです。双子ではない兄弟の間で比べた場合にはそれよりもいくらか高いそうです。
このようにこの程度の数字では遺伝病だとは言えないとのことです。遺伝的要素は強く持つ病気ではあるのですが、環境要因などの他の要因が絡まないと発病しません。
どのような病気か良く知ることが重要
あまり身近な病気ではないですので、膠原病がどのような病気なのか聞いたことはあるけれども良く知らないという方が多いでしょう。知らないことに対しては、不安を感じるものです。膠原病がどのような病気なのかを少しでも知ることで必要以上に心配する必要もなくなるのではないでしょうか。
特に女性にとっては切実な問題で、遺伝するものではないのかなどとどうしても考えてしまいがちです。しかし親が膠原病であるからといって子どもが必ず膠原病になるとは限りません。
そして膠原病の原因や治療法は、少しずつではありますが進歩してきていますので上述した内容を知ることで不安を少しでも和らげる一助になれればと思います。
まとめ
膠原病は遺伝をするものなのでしょうか!
膠原病の症状とは
膠原病の要因とは
遺伝的な要因としては
遺伝的要素であって膠原病は遺伝病ではない
どのような病気か良く知ることが重要