数十年前までは結婚すれば妊娠、出産が当たり前でした。しかし近年では不妊症や不育症など問題も多く、産婦人科を受診すると基礎体温表をつけるように指示を受けることも多いです。 基礎体温 は 妊娠時 だけでなく、体や心の変化によって違いが出ます。
今回は基礎体温を紹介します。
基礎体温は妊娠時以外にも体と心の変化のバロメーター(前編)
生理そして排卵~受精~着床~妊娠の流れ
近年では初経をむかえる年齢は早めになっていて平均年齢は12歳となっています。早い子は10歳くらいから、遅い子でも14歳くらいまでになるといわれています。
生理が終わる閉経(へいけい)年齢は平均で50歳前後のため、一生のうちに女性は40年近くも生理と向き合う時間があるのです。
生理は妊娠時だけでなく女性の体の状態を知るためにもとても重要な役割を果たします。子宮は生理を起こすためだけでなく妊娠時胎児を守るための部屋の役割をします。
子宮自体は平滑筋という筋肉で作られていて外側は腹膜という薄い膜に包まれていて、内側には内膜が存在します。
子宮には卵巣と呼ばれる別部屋が2つあって、うち一つに卵胞といわれる卵子の卵が作られて次第に成熟して卵子となります。その卵子が月に一回、生理開始から約14日後に排出されることを排卵といいます。
一方男性が一回の射精で排出する精子は2億個以上あるといわれています。排出された精子は膣(子宮口)から入り子宮の卵管を進んでいくことになります。しかしそこにたどり着くまでに2億個以上あった精子はわずか数百個ほどに激減してしまいます。
排卵した卵子と射精後の精子が巡り合う、いわゆる受精が妊娠の第一歩となります。しかし排卵された卵子の命は1日。そのうち受精可能な時間はわずか5時間から6時間。精子の命は2日から3日で、この命が短い卵子、精子ともに生き生きとした状態で巡り合うということは本当に難しいことです。
受精できた受精卵は細胞分裂を続けながら子宮に入り、子宮内膜は内膜に厚みを持たせてふかふかのベッド作りをして大事に受精卵を受け入れるための準備をします。厚みを増した子宮内膜に受精卵がくっつく状態になることを着床といいます。
着床したのち、次第に受精卵は子宮内膜に沈んで入り込むことで着床完了となります。ここまできてやっと正式に妊娠したといえます。
なお子宮内膜が厚みを増しても受精卵の着床がない場合、厚くなった内膜ははがれ落ちて経血として排出されます。これが生理です。また、卵子と精子が受精して着床、妊娠まで約14日かかるといわれています。
短い命の中で数百個の元気な精子がたったひとつの卵子を獲得して無事受精して着床、妊娠できることは本当に奇跡に近いことです。多くの人たちが結婚して子どもを作る気になればいつでも妊娠できると思っているかもしれません。
しかし妊娠にたどり着くまでは卵子と精子が元気であり、妊娠までの工程がすべて順調におこなわれなければならないという厳しいものなのです。
自然妊娠を希望している人は、排卵が月にたった一回ということを考えるとタイミングをはかることが、もっとも妊娠につながる可能性が高くなるということなのかもしれません。
しかしその排卵日を「恐らくこの日のはず」では全く意味がありません。それだけ正確な排卵日を知ることは重要なのです。では医師でもない私たちが正確な排卵日を知るためにはどうしたら良いのでしょうか。
正確に探し出すためには自身の体の中の変化を正しく読み取る必要があります。そのためには基礎体温をつけるということがとても大切になります。基礎体温は排卵日だけでなく妊娠時や生理日など自身の体の状態によって体温に変化が出てくることが値でしっかりと出ることになるのです。
まとめ
基礎体温は妊娠時以外にも体と心の変化のバロメーター(前編)
生理そして排卵~受精~着床~妊娠の流れ