妊娠を望む女性はもちろんのこと、体の調子を整えたい女性にとっても基礎体温を測ることは重要です。基礎体温を測ることで排卵時期がわかるだけでなく、妊娠の兆候を掴むことも、もしくは病気の兆候を知ることもできます。
基礎体温の測定と記録は女性の体調管理の基本とも言えるでしょう。今回は、 基礎体温 の 高温期 から妊娠や病気がわかる についてご紹介いたします。
基礎体温の高温期から妊娠や病気がわかるって本当?
基礎体温と高温期
基礎体温とは体がもっとも安定しているときの体温を指します。起きている間には、自分自身の活動や周りの温度の影響をうけるため、基礎体温がわかりませんが、朝、布団の中で目覚めた直後、起き上がる前には、そういった要因がないため、体は基礎体温になっています。
基礎体温の記録をつけ続けて行くと、女性の場合には体温の高い時期と低い時期の二つの時期が交互に周期的にやってくることに気がつきます。この体温の高い時期を高温期といい、体の中で排卵が起こる頃から、生理が始まる直前まで、女性の体温は高く維持されます。
この時期は別名、黄体期ともよび着床するため黄体ホルモンと呼ばれるホルモンを分泌する時期にあたります。正常な場合、女性の基礎体温は24日~39日ほどの周期で高温期と低温期を繰り返します。低温期と高温期の違いは0.3度以上と言われています。
妊娠した時の基礎体温の動き
では、妊娠した場合にはどうなのでしょうか。妊娠すると女性の体は高温状態を保つことになります。次の卵や子宮内膜を準備する低温期は必要なくなるのです。
常日頃はきちんと周期的に高温期と低温期が来ているにもかかわらず、高温期が終わり生理が始まる頃に高温状態が続き、生理が来ない場合には妊娠を疑いましょう。
また、この時、高温状態を保ったまま出血があったとしても生理でない可能性があります。妊娠した時には、着床出血と呼ばれる出血があり得ます。少量の出血が数日続いた場合には着床出血を疑いましょう。
更には、普段以上に高温期が長く続き、その状態のまま出血した場合には、知らず知らずのうちに初期流産を起こしている可能性もあります。
通常は高温状態で生理が起こることはないので、高温状態を維持したままの出血が見られた時には、婦人科系の病気の可能性もあるので、いずれにせよ病院を受診しましょう。
病気のバロメータにもなる基礎体温
基礎体温からは妊娠以外にも病気の兆候もわかります。先ほど低温期と高温期の差は0.3度以上と述べましたが、これ以下の違いであったり、はっきりとした低温期と高温期の差が分からない場合には要注意です。
きちんと差がない場合には体のリズムがうまく作れずに、無月経になってしまう可能性を秘めています。そのような場合には一度病院を受診しましょう。
他にも、体温が常に上下しており、はっきりとした高温期がない場合には、黄体機能不全という症状も考えられます。卵巣がきちんと働いていない状態です。この病気の場合、高温期があったとしても、低温期から高温期へとうつる時に4日以上かかるということもあります。
また、先に記したように、高温期が長引き、出血した場合には不正出血が考えられます。不正出血を起こす病気としては、子宮内膜症やポリープをはじめ、勁悍管炎、チョコレート嚢瘍など、さまざまなものが考えられます。
ストレスにより変動する基礎体温
基礎体温をしっかり測り、高温期と低温期のうつりかわりを知ることで妊娠や体の不調をしることができることを示してきましたが、女性の体は大変にデリケートであるため、病気や妊娠じゃなくても、基礎体温が変化してしまうことがあります。
精神的に大きなストレスがかかっている時や、不規則な生活をしている場合には、基礎体温がばらついてしまうこともよくあります。そのため、基礎体温から体の調子を知りたい時には、3ヶ月程度は様子を見て、自分の周期をしっかりと知る必要があります。
また、病気ではなく、ストレスや不規則な生活から基礎体温がばらつく場合にも、即座に問題は起こしませんが、放置しておくとそのまま不妊症につながることもあります。例えば病気でなくても、基礎体温がばらつくような生活をしている時には、一度生活を見直す必要があるでしょう。
まとめ
基礎体温の高温期から妊娠や病気がわかる
基礎体温と高温期
妊娠した時の基礎体温の動き
病気のバロメータにもなる基礎体温
ストレスにより変動する基礎体温