「基礎体温の表からみえるホルモンの働きと体調の変化(前編)」では、基礎体温の測り方や基礎体温表の書き方などをご紹介いたしました。後編では、基礎体温表をどのようにみるのかご説明いたします。
基礎体温 表 をつけることにより、妊娠しやすい日を予測することができます。
基礎体温の表からみえるホルモンの働きと体調の変化(後編)
高温期と低温期に関わるホルモン
基礎体温の記入を続けていくと、ある一定の体温よりも高い線と低い線がみられるようになります。一般的には36.7℃を境目に、2層のグラフになりますが、元々体温が低い方や高い方もおり、必ず36.7℃が境目でなくてはならないわけではなく、0.3~0.5℃の差で2層になることが重要です。
このときの基礎体温が高い相を高温期、低い相を低温期といい、それぞれホルモンの影響を受けることによりこのような基礎体温の変化があらわれます。
高温期に関与するホルモンはプロゲステロンという女性ホルモンです。プロゲステロンは、排卵後から分泌量を増やし子宮内膜を厚くして卵が着床しやすいようにしたり、妊娠を継続させる働きがあるため、妊娠を助けるホルモンといわれています。
妊娠が成立しなかった場合は、排卵後から約2間ほどで分泌量が低下し次の月経が始まります。
低温期に関わるホルモンも女性ホルモンのひとつであるエストロゲンです。エストロゲンは、胸や美しく艶やかな髪などの女性らしさをつくるホルモンといわれており、月経の終わり頃から分泌量を増やし、排卵にかけて約2週間ほどで低下していきます。
このような2つの女性ホルモンの特徴を生かして、基礎体温を測定し観察することにより体調の変化、妊娠しやすい時期、次の月経開始日などを予測することができるのです。
たとえば、不正出血のあった日が排卵日周辺であれば、排卵出血である可能性が高いため安心できたり、月経がいつもより遅れていても月経周期の間に体調不良があったため、一時的なホルモンバランスの乱れであることが想像できます。
また、妊娠していることを早期に知ることができると、体におこる症状が妊娠初期によるものと判断でき、注意しなければならない服薬をさけることができるため胎児の安全につながるのです。
基礎体温が知らせる妊娠しやすい日
基礎体温が0.3~0.5℃の差で2層にわかれているということは、女性ホルモンの分泌が正常であるという指標になり、排卵も正常におこなわれていることになります。
1周期のみの基礎体温表により、正確な排卵日を判断することは難しいのですが、3ヶ月ほど続けていくと低温期にみられるわずかな体温の変動の中に、最も基礎体温が低下する日がみえてきます。その基礎体温の低下こそ、排卵がおこる合図なのです。
その日から数日の間に排卵がおこるといわれており、基礎体温が正しく測定されていると、毎月同じような時期に基礎体温の低下がみられるようになるため、排卵日をある程度予測することが可能なのです。卵の寿命は1日しかないため、妊娠を望む女性にとって排卵日がわかるということはとても重要なのです。
まとめ
基礎体温の表からみえるホルモンの働きと体調の変化(後編)
高温期と低温期に関わるホルモン
基礎体温が知らせる妊娠しやすい日