対人場面などでの恐怖感や不安が強い方の場合には、緊張するのをどうにかして治したいと思っている方は多いでしょう。しかし病院に行くのでさえも恥ずかしいとなかなか診療を受けられない状態かも知れません。
このような場合に薬で治すことができるのですが、 緊張 を 薬 で治す方法についてご説明します。
対人場面などの緊張を薬で治す方法とは
極度の緊張とは
人の前に出ると緊張をして声が震え、汗をかいて手足も震えるという経験をしたことはありませんか。そして何かをしようとしても赤面して頭の中が真っ白になるというような症状も出ます。
人は、恐怖や不安を感じた場合には、血液中にノルアドレナリンという神経伝達物質が多く分泌されます。これが自律神経の中の交感神経というものを刺激することになります。このことで血圧や心拍数、体温などが急に高くなります。
体内では、そのような状態を元に戻すために汗をかいて体温を下げます。筋肉が硬直することで震えも起きることになります。さらに食欲も消化機能が低下しますのでなくなります。
このような状態になると自分は病気ではないのかと考えてしまうのですが、決して症状としては異常なことではありません。
人前での緊張は、その方にとっては危険が差し迫ったという状態です。そして身体能力や集中力を高めることで、交感神経がよく働き行動が向上することになります。この点から緊張した状態というのは、病気でも異常なことでもなく自己防衛本能の一つと言えます。
しかし極度の緊張で日常生活にも差しさわりがあり、電車に乗れないとか人と会話もできないという場合には、社交不安障害と診断されることがあります。この場合には、薬物療法などによる治療を心療内科で行なうこともできます。
緊張に効果のある薬とは
薬には依存したくないといって緊張する状態を無理に続けるとトラウマになることもあります。あがり症で極度に緊張するという方は、上述した社交不安障害と心療内科で診断された時には、次のような薬を一時的にでも試してみてはいかがでしょう。
抗うつ薬の選択的セロトニン再取込阻害薬というものです。薬剤名としては、デプロメールやパキシル、ルボックスやジェイゾロフトなどです。
薬の効能としては、脳内の神経伝達物質であるセロトニンという精神を安定させる働きのあるものが減少しないようにする働きをします。
セロトニンが減少しないようにすることで恐怖や不安などの緊張する症状をよくします。薬を飲み始めて効果が出るまでには、1週間から2週間ほどかかるようです。
また抗不安薬には、デパスやソラナックス、コンスタンなどの薬剤名のものがあります。これらは、ベンゾジアゼピン系抗不安薬です。
このような薬の効能としては、感情をコントロールしている脳の中の組織に作用します。ガンマ・アミノ酪酸という神経の極度の興奮などを抑制する物質です。これらの作用で不安や緊張をやわらげて気持ちも落ち着くという効果のある薬です。
また緊張によるあがり症などに市販薬で効果のある薬では、イララックというものがあります。市販薬は、薬局でも通販でも購入ができます。それ以外の薬では、レキソタンやインデラルなども効果があります。
薬の服用の時の注意点とは
薬を服用すると緊張を一時的であっても抑えるという効果があります。しかし薬の服用は、その症状が抑えられていても一時的なものであるということを認識しておいてください。
それは、アルコ-ルを飲んでその時にはリラックスしているという状態に似ています。一時的に不安も感じにくくなり人前であっても緊張しにくく、あがることも少なくなるでしょう。そのような状態を薬でつくり出しているということになります。
しかし根本的な改善にはなっていないということです。できれば、医師と相談して余程その時に不安を感じるという場合以外には服用しないようにすることをお勧めします。
まとめ
対人場面などの緊張を薬で治す方法とは
極度の緊張とは
緊張に効果のある薬とは
薬の服用の時の注意点とは