月経の周期には個人差がありますが、医学的に正常な月経の周期は25日~38日と定義されています。周期が39日以上ある場合は稀発月経と呼ばれ、生理は数か月に一度しかないような状態となります。
月経の周期は、ストレスやダイエットなどで乱れることがありますが、排卵に問題がある可能性もあります。 稀発月経 だからといって日常生活には何ら支障がない場合が多いのですが、妊娠を希望している場合はなかなか妊娠することができない、不妊の原因となることがあります。
稀発月経でわかる不妊の原因
まずは基礎体温を測りましょう
基礎体温は朝起きてすぐに体温を測り記録を取ったものです。毎日続けていると、体温は生理の周期にあわせて低温期と高温期があることがわかります。
稀発月経の場合、体温のリズムは低温期が長く排卵後14日ほどで次の生理が始まる周期と、低温期と高温期の差がほとんど無い場合の二つのパターンが見られます。
どちらのパターンであるかによって対応の仕方も変わりますので、正確に判断する必要があります。また、不妊治療を受ける場合や、女性特有の病気を見つける時にもこの基礎体温のデータがかなり重要な判断材料となりますので、日頃から基礎体温を記録しておきましょう。
稀発月経の原因
初潮を迎えてから間もない十代や、閉経間近の年齢では、身体のホルモンバランスが整っていないため、生理がなかなか来ないことはよくあることで、月経異常ではありません。
また、妊娠可能年齢の月経周期でも、環境の変化やストレスなどで簡単に乱れてしまうことがありますが、1~2回の生理が遅れただけでは稀発月経とは言いません。稀発月経は継続的に周期が39日以上ある場合を指し、3か月以上生理が無ければ無月経と言います。
稀発月経の70%は脳の視床下部に問題があると言われています。視床下部は、卵巣刺激ホルモンの分泌を促すところで、ストレスに影響されやすい特徴があります。視床下部に障害があると卵胞の成長がうまくいかなくなったり、排卵されなくなったりします。
また甲状腺の異常や子宮や卵巣の病気が隠れていることがあり、詳しい検査をしなければ原因を特定することはできません。
稀発月経と排卵の関係
基礎体温のリズムで低温期が排卵後の高温期より長い場合は、周期が遅くても排卵はおこなわれているので妊娠することができます。排卵の周期が遅い体質であるというだけで、健康上の問題はない状態なので、病院の診断も経過観察となります。
しかし低温期と高温期の差がない場合は、排卵障害があり無排卵月経の可能性が高くなります。不妊の原因の約30%がこの排卵障害によるものと言われており、妊娠を希望する場合は改善が必要です。また、無排卵状態が続くと子宮内膜が留まり癌化するリスクも高まると言われています。
稀発月経の治療
排卵がある稀発月経は、生活習慣を変えることである程度、改善します。身体を温めることを心掛け、薬を飲まなくても食事や運動、睡眠など体調を整えるだけで周期が安定することがあります。しかし排卵が無い排卵障害が原因である場合は、病院での治療が必要となります。
卵巣障害は、ストレスや体調不良などによって脳下垂体からのホルモンの分泌が減る場合と、卵巣の機能に障害がある場合があります。病院では、まず基礎体温を確認し、血液検査、膣内エコー検査などの検査をし、原因を特定していきます。
その結果、排卵自体がされていない症状、または卵胞が排卵に至るまで成熟することができない症状などの診断がされます。主な治療は薬物療法となり、無排卵の場合は排卵誘発剤で排卵を促し、月経周期が長すぎる場合は低用量ピルで生理の周期を整えます。
まとめ
稀発月経でわかる不妊の原因
まずは基礎体温を測りましょう
稀発月経の原因
稀発月経と排卵の関係
稀発月経の治療