医療現場ではさまざまな 血液検査 が行われますが、その中には普段日本語で医師から説明を受けるにもかかわらず、実際の検査結果が記載された報告書ではしばしばアルファベットの略語で表記されるものがたくさんあります。
この項ではそのうち特に血算と呼ばれる白血球数( wbc )、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン(Hb)、そして血小板数(Plt)について説明します。
血液検査用語のwbcって何のこと?
血液検査で使用されるアルファベットの略語表記
医療現場ではさまざまな血液検査が行われます。その中には普段、日本語で医師から説明を受けるにもかかわらず、実際の検査結果が記載された報告書や医学書ではしばしばアルファベットの略語で表記されるものがたくさんあります。
この項ではそういった略語表記を日本語に戻して説明します。なお医学の発達とともに、現在血液検査はおびただしい種類があります。この項ではその中でも健診や人間ドックなどでも一般的に行なわれている白血球数、赤血球数とヘモグロビン、そして血小板数について解説します。
これらはまとめて“血算(けっさん)”と呼ばれる検査項目で、しばしばルーチンの血液検査として行われています。
wbc
白血球数のことで、通常はWBCと大文字で表記されます。“w”はwhite(白)の頭文字です。WBCとカルテに記載しているにもかかわらず、大多数の医師は患者さんやそのご家族には、“白血球の数は・・・・”と日本語で説明します。
また医師同士や医師と看護師との会話でも“白血球数”と日本語で表現することが多いようです。
正常範囲は3500~8500(/μl)くらいで、膠原病(全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群)、血液内科の病気(急性白血病や骨髄異型性症候群、再生不良性貧血など)、さらには薬剤の影響やウイルス感染症、重症感染症の際に白血球数が異常に低い値を示します。
一方で細菌やウイルス感染症、血液内科の病気(急性白血病や骨髄増殖性腫瘍など)の場合に異常高値となります。ただし白血球数が異常値を示していても、必ずしもこれらの病気が存在するとは限りません。
重要なポイントは普段の数値からの変化で、普段の値がわからない場合はそれぞれの病気に見合った臨床症状の有無が大切になります。同じ白血球数2500(/μl)であっても、危険な場合と、放置しておいてもかまわない場合とがあるわけです。
RBC、Hb
RBCは赤血球数、Hbはヘモグロビンのことです。“R”はred(赤)の頭文字です。ヘモグロビンは男性で13.5~17.0、女性で11.5~15.0(g/dl)が正常範囲です。
貧血の際にはRBC、Hbともに減少しますが、輸血をするかしないか、あるいは輸血や治療による効果の判定は通常RBCの値ではなく、Hb値を使用します。
ちなみに医療現場ではHbのことを“ヘモグロビン”と言う以外に、“ハーベー”と呼ぶこともあります。貧血は若い女性で多く見られる異常ですが、ここでも数値の解釈に重要なのが普段からの変化と症状の有無です。
若年女性の鉄欠乏性貧血など慢性的な貧血ではHb4g/dlの重症貧血であっても症状がない場合は、輸血はせずに鉄剤を使用するだけで治療可能な場合も珍しくありません。
一方で吐血など急に生じた貧血ではHb10g/dl程度であっても、循環不全となり、緊急輸血が必要となることがあります。
赤血球数は脱水、ストレス多血症(喫煙など)、心肺疾患(睡眠時無呼吸症候群など)、血液疾患(真性多血症(血液内科の病気です)など)で異常に数値が増えることがあります。
Plt
血小板数のことで、しばしば医療機関では“プレート”と呼ばれています(英語で血小板のことをPlateletと言うためです)。正常範囲は15万~35万(/μl)くらいです。血症板は血を止める役割をしているために、血症板の数が異常に減少すると、さまざまな出血に関連した症状が出現します。
個人差はありますが、血小板数が8万~10万(/μl)程度になると軽度の打撲で出血斑を認めるようになります。さらに5万(/μl)以下では打撲をした記憶がないにもかかわらず出血斑(いわゆる内出血・アザのことです)が出るようになります。
さらに1万(/μl)以下では皮膚の点状出血や粘膜出血を認めます。
血症板数は血小板の消費が増える病態(特発性血小板減少性紫斑病、全身性エリテマトーデスなど)、産生低下(骨髄異形成症候群、再生不良性貧血など。いずれも血液内科の病気です。)、さらには薬剤の影響などによって生じます。
一方で慢性炎症性疾患(膠原病など)や感染症、鉄欠乏性貧血などの際に血小板数が増加することがあります。普段からの変化と症状の有無が大切であるのは白血球数や赤血球数と同じです。
まとめ
血液検査用語のwbcって何のこと?
wbc
RBC、Hb
Plt