血液検査 をするとさまざまな数値の結果が出ます。その中に mcv という値がありますが、これは血液の状態や貧血の原因を知るために重要な項目です。
自分のmcvの数値が示す意味を理解して貧血の原因、奥に潜んでいる病気を早期発見するのに役立てましょう。
血液検査のmcvでわかる貧血のタイプ
血液検査のmcvとは
「mcv」とは赤血球の状態を知るためのひとつの項目で、平均赤血球容積といわれています。平均赤血球容積とは赤血球1個が持つ平均的な容積のことで、わかりやすく言えば赤血球の大きさをあらわします。
「mcv」は実際に測定するのではなく測定したヘマトクリットと赤血球数を元にした計算式[(ヘマトクリット/赤血球数)×10]から割り出されます。ヘマトクリットとは、単位体積当りの血液中での赤血球の占める体積の割合のことです。
赤血球は主に酸素を身体の隅々まで運ぶ役割を担っており、赤血球の大きさが小さいと運べる酸素の量も少なくなります。
mchとmchcとの関係
血液検査で必ず測定する「mch」と「mchc」は「mcv」と重要な関わりがあります。
「mch」は平均赤血球ヘモグロビン量のことで、赤血球1個に含まれるヘモグロビンの量をあらわします。この数値が低いと「mcv」が正常値であっても酸素を運ぶ機能が低下します。
「mchc」は平均赤血球ヘモグロビン濃度のことで、赤血球の中のヘモグロビンの割合をあらわします。
貧血が発見された場合、「mcv」「mch」「mchc」の値を分析することによって貧血の原因を特定することが可能となります。
血液検査のmcvでわかる病気
「mcv」の単位はfl(フェムトリットル)で基準値は男性の場合83~103、女性の場合81~100といわれています。基準値内の場合を正球性貧血と、基準値より低い場合を小球性貧血、基準値より高い場合を大球性貧血と呼び、貧血の原因を探る指標となります。
基準値に比べて低い場合、赤血球の大きさが小さいということをあらわしています。これは赤血球を作る原料不足により大きさが小さくなっています。考えられる代表的な病気としては、鉄欠乏症による貧血があります。
これは貧血の中でも最も多い病気で月経がある女性、ダイエット中の女性が多く、主な原因は鉄分の不足と考えられます。その他にも消化器官などの慢性炎症に伴う貧血も考えられます。
基準値に比べて高い場合、悪性貧血や肝障害が考えられます。その原因として赤血球を作る際に不可欠なビタミンB12や葉酸の不足があり、大きさが正常でない大きな赤血球が作られていることがあります。
ビタミン12の不足は、胃の切除や萎縮性胃炎でのビタミン12の吸収率の悪化、葉酸の不足は、偏食が極端な場合や過剰飲酒が原因として考えられます。
基準値が正常であっても、「mch(ヘモグロビンの量)」「mchc(ヘモグロビンの濃度)」が正常でなければ病気である可能性があります。
「mcv」と「mchc」が正常でも「mch」が低い場合、肝炎や肝硬変などの肝臓疾患や腎不全などの腎臓疾患などによる貧血、骨髄の異常の疑いもあるため精密検査が必要となります。
血液検査で貧血のタイプを知りましょう
健康診断、貧血の疑いがある時血液検査を行います。その際に貧血のタイプを特定する指標のひとつになるのが「mcv」です。
一般的に鉄欠乏性貧血が多いですが、その他が原因である場合治療方法も変わってきます。原因を特定して適切な治療を受けるためにも、血液検査で自分の血液の状態を知りましょう。
まとめ
血液検査のmcvでわかる貧血のタイプ
血液検査のmcvとは
mchとmchcとの関係
血液検査のmcvでわかる病気
血液検査で貧血のタイプを知りましょう