「血液検査でck高値。いったい何の病気?(前編)」では、CK-MMが増加する代表的な病気をご紹介いたしました。後編では、筋肉の異常でなくてもCK-MMが増加する場合、また甲状腺機能低下症でckが増加する場合についてお伝えいたします。
血液検査 で ck が増加しているにもかかわらず原因がはっきりしない場合は、血液の甲状腺ホルモン値をチェックするとよいかもしれません。
血液検査でck高値。いったい何の病気?(後編)
筋肉の異常でなくてもCK-MMが増加することがあります
骨格筋が障害されたときに血液中のCK-MB値が増加しますが、必ずしもckやCK-MBが高値であるから筋肉の病気が存在するとは限りません。
例えば筋肉トレーニングや比較的強度の高い運動をした後では、CK-MBが増加することがあります(ただしあまりに増加すると上述の横紋筋融解症に進行します)。
また痙攣発作のときに全身の筋肉がつっぱると、やはりCK-MBが高値となります。ただしこれらは、その原因となるエピソードがはっきりしていることが多く、血液検査で偶然ck高値が見つかる(例えば健康診断や人間ドック)、という場面はあまりないでしょう。
甲状腺機能低下症でck(CK-MM)が増加することがあります
甲状腺機能低下症も筋肉の異常ではありませんが、ck(CK-MM)が増加することがあります。甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンが不足する病気の総称で、さまざまな原因によって様々な年齢に起こります。
もっとも多い原因である慢性甲状腺炎(橋本病とも呼ばれます)は40代以降の女性に多い病気です。無気力、疲れやすさ、まぶたや顔のむくみ、寒がり、体重増加、記憶力低下、便秘、声のかすれなどが代表的な症状です。
しかし全ての症状が出揃うとは限らず、しかも徐々に症状が出現することが多いために、甲状腺機能低下症とは気づかれずに加齢、うつ病や認知症、あるいは更年期障害と誤解される場合もあります。
血液検査でckが増加しているにもかかわらず原因がはっきりしない場合は、血液の甲状腺ホルモン値をチェックするとよいかもしれません。
まとめ
血液検査でck高値。いったい何の病気?(後編)
筋肉の異常でなくてもCK-MMが増加することがあります
甲状腺機能低下症でck(CK-MM)が増加することがあります