alpという血液検査の名前を聞いたことがありますか。またこのalp血液検査の結果で異常な値が出た場合には、どのような病気の心配があるのでしょう。
では、 血液検査 の alp はどのような検査でその数値の結果は何を意味するのかなどについてご説明します。
血液検査の alpとはどのような検査なのでしょうか!
alpとは
alpは、アルカリフォスファターゼといいリン酸化合物を分解する酵素です。肝臓で処理され胆汁中に流れるのですが、肝臓や腸粘膜、腎臓や骨などで作られます。
胆汁が流れている胆道が、胆道炎や胆石、胆道がんなどでふさがれたために悪くなると胆汁うっ滞という状態となり肝臓の機能が低下します。血液に胆汁中のalpが逆流して流れ込むためです。
成長期にある子どもや思春期には骨の成長とも関連しているのでalp値は、成人よりも高くなります。
alpの検査方法やその基準値とは
alpの検査方法は、血液を採取して血液検査をします。測定方法としては、現在自動分析装置の測定が多く3つの方法のSSCC法、GSCC法、JSCC法が使用されています。単位としては、IUの国際単位が一般的に使用されています。
血液検査の基準値としては、SSCC法では70U/Lから260 U/L、GSCC法では90U/Lから280 U/L、JSCC法では100 U/Lから350 U/Lとされています。
alp血液検査の判定とは
血液検査の判定では、alpの値が高いほど胆道疾患や肝障害の疑いがあります。
そしてalpの血液検査結果が不良であった場合には、原因を特定して治療をする必要があります。特にalp値が上昇しているような場合には、完全に胆汁の流れが止まり黄疸が出てくることがあります。
胆汁の排出が、胆道が詰まって阻害されてしまったような時には、肝細胞を逆流して胆汁中のalpが血液中に増えていきます。また肝細胞では同時にalpが生成されますので、全体量がいっそう増加することになります。
またalpのアイソザイムという分子構造があるのですが、その異なる酵素群を測定することで診断の重要な手がかりがわかります。
ちなみにalpの6種類については、その種類ごとに高値の場合次のような病気が疑われます。
alp1では、限局性肝障害や閉塞性黄疸、alp2では胆道系疾患や各種肝疾患です。alp3では、健常小児に多い骨の病気や副甲状腺機能亢進症、alp4では、妊娠後期や悪性腫瘍の一部がわります。
そしてALP5では、慢性肝炎や肝硬変、慢性腎不全、そしてalp6では潰瘍性大腸炎の疑いがあります。
このような値の異常から疾患部位を特定し、さらに自覚症状などからそれぞれの病気に適した検査法を追加実施して確定診断されることになります。
alp値に異常があった場合には
alp値に異常があった場合には、他の肝機能検査の特にGPT やGOT、LAP、γ-GTPなどの値も調べて診断の参考とします。alpが異常な値で、異常がGPT やGOTの値にもあるような場合には、胆道系や肝臓の病気の心配があります。
またGPTやGOTの値が軽度であったものから中等度に上昇したような時には、肝硬変や慢性肝炎、栄養過多による脂肪肝などの慢性疾患が考えられます。
γ-GTP値やLAP値が同時に上がった時には、肝内うっ血や胆道の閉塞や狭窄が疑われます。
そしてalpが異常値であってもGPT とGOT値が異常値ではない時には、胆道系や肝臓以外の病気があると疑われます。さらにこのような時には、LAPやγ-GTPなどの検査も追加実施する必要があります。
このようにalpに異常値があると先述した病気と共に次のような病気が疑われます。
慢性急性肝炎や閉塞性黄疸、肝臓がん、肝硬変、胆汁うっ滞や胆石そして胆道系のがん、がんの骨転移やすい臓がん、骨軟化症や甲状腺機能亢進症、慢性腎不全などです。
血液検査のalp検査では、この検査の値を知るだけでさまざまな疾患が疑われるものなのです。血液検査は、普段何気なく受けていますが、このように病気についての情報が隠れていますので、alpに異常値が出た場合には早めに病院に行って診察を受けてください。
まとめ
血液検査の alpとはどのような検査なのでしょうか!
alpとは
alpの検査方法やその基準値とは
alp血液検査の判定とは
alp値に異常があった場合には