女性になりやすい病気としてよく聞かれるのが 関節リウマチ です。この病気は、免疫異常による全身性の炎症性疾患です。関節が痛み、腫れてきます。適切に治療しないと炎症が進み、関節が破壊されていく危険性があります。寝たきりになる原因として、脳梗塞の次に多いといわれています。関節の痛みや腫れの 症状 で日常生活にも支障が生じてしまいますので、早期診断、治療が大切だといわれています。
好発年齢20歳から60歳代の女性に多いといわれています。男性も発症しますが、男性より4倍ほど女性が多いのです。
女性におこりやすい病気。関節リウマチの症状について
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症状の経過には種類があります
関節リウマチを発症した場合、必ずしも全員が同じ症状の経過をするわけではありません。
一つ目のパターンは、急速進行期型といって短期間で病状が進行してしまうもので、これは最も重症度が高いです。二つ目のパターンは、多周期型といって改善と悪化を繰り返しながら次第に関節破壊へと進行していきます。三つ目のパターンは、短周期型といって1年~2年で寛解あるいは寛解に近づいていくものです。
この経過はひとりひとり違いますので、その人にあった治療をおこなっていきます。
関節リウマチの症状
主症状は、多発性の関節腫脹と疼痛があります。他にも全身倦怠感、発熱、体重減少、貧血、リンパ節腫脹などを起こすこともあります。初めは関節の滑膜炎から始まりますので、手足、膝など限局したところにあらわれます。
次第に全身の関節がおかされることから、症状が進行してしまうと次のような症状があらわれてきます。
- 朝のこわばり
朝のこわばりとは、起床時に関節がこわばり、指が動かしにくくなったりしますが、身体を動かしていくと徐々に症状は消退していきます。この朝のこわばりの持続時間は、関節リウマチの活動性の指標となります。平均して、健常者では10分以内、関節リウマチ発症されている人の場合では、1時間以上こわばりを訴えることが多いです。 - 疼痛
疼痛と一口に言っても様々に症状があり、関節の自発痛、圧痛、運動時痛等がみられます。自発痛や圧痛は、炎症の存在するときに多くおこり、運動時痛に関しては、炎症に加えて関節破壊が生じたときに起こることが多いです。関節リウマチの人に多いのですが、疼痛は天気や気温によっても痛みの状態に影響がでてきます。 - 腫脹
腫脹は、炎症性の滑膜肥厚、関節包の肥厚および関節液の貯留によっておこります。特に関節リウマチになった人で一番腫脹が認められる部位は手指の第2関節(PIP関節)や膝です。 - 関節の動揺性
関節周囲の支持組織の弛緩、関節破壊により進行するもので、膝関節炎が進行することで歩行時上体が左右に揺れ、脚を引きずって歩くようになってきます。 - 関節可動域制限
疼痛や関節破壊、関節周囲の軟部組織拘縮することによって関節を動かすことが出来る範囲が限られてきます。 - 変形
変形は手指に認められます。変形はいくつか種類があります。一つ目は、尺側変形(しゃくそくへんけい)といって尺側(小指側)の脱臼によって変形が生じてしまいます。
二つ目は、スワンネック変形といって第2関節は過伸展し、第1関節は過屈曲しています。
三つ目は、ボタンホール変形といって第2関節は過屈曲し、第1関節は過伸展しています。
四つ目は、オペラグラス変形といって疼痛は軽度であることが多いです。 - 握力低下
関節の疼痛、変形、筋力低下によって握力も低下してきます。
関節リウマチを発症してしまうとこれらの症状が原因で日常生活にも支障をきたしてしまいます。特に女性の場合は、家事、掃除、洗濯をすることが多いですが、手指の変形、握力低下によって包丁や鍋が持てなくなりますし、関節可動域制限が生じることで洗濯物を干す場所や洗髪も制限されてきてしまいます。
症状ひとつひとつが原因で、今まで当たり前にように出来ていた動作ができなくなってしまうようになります。そのため、少しでも進行をしないようにするためにも早期受診、早期治療をすることがとても大切ですし、発病していない人でも定期的に健康診断をしておくことが大切です。
まとめ
女性におこりやすい病気。関節リウマチの症状について
症状の経過には種類があります
関節リウマチの症状