さまざまなストレスが原因で腸に関係した過敏性腸症候群にかかる方がいます。 過敏性腸症候群 は、便秘や下痢などの症状が出るのですが、その治療では症状に合わせた方法が必要となります。
このような治療に 漢方 が効果的だといわれていますが、どうようなものなのかについてご説明します。
過敏性腸症候群を漢方で治す良い方法とは、どのようなものか
過敏性腸症候群の症状とは
過敏性腸症候群では、交互に下痢と便秘が起こるような症状が出ますが、胃や腸などを調べても特別な腫瘍などはみつかりません。ただ腸の本来の働きが悪くなっているというだけなのです。このような過敏性腸症候群に罹る方は、少なくありません。
このようなことから過敏性腸症候群は、腹痛を伴う腸の機能的疾患として重要視されています。もし下痢と便秘をくり返しても痛みがないのであれば、それは慢性の腸炎で過敏性腸症候群とはいえません。
過敏性腸症候群の治療の仕方とは
過敏性腸症候群の治療として西洋医学では、症状にあわせて精神安定剤を中心として処方されます。腹痛などの痛みには、痛み止め、また便秘薬や下痢止めなどを使用してそれぞれの症状を抑え込むという治療法となります。
しかし過敏性腸症候群のような精神的な要素が関係している複雑な疾患には、対処療法的な治療では限界があります。
その点漢方薬では、精神面に働く気剤というものや下痢と便秘との両方に効果のある薬があります。また心配される副作用的なものも少ないので、習慣性の心配もなく長く安心して服用することができます。
過敏性腸症候群の漢方での治療の仕方とは
過敏性腸症候群では、その発病には精神的な原因が影響しています。そのために自身の意志と無関係に血管や内臓などの働きを支配する自律神経の失調ということも要因となります。
例えば動悸やのぼせ、立ちくらみなどという症状もよく起こります。このような自律神経の失調ということで起きている症状も漢方薬によって治すことができます。さらに下痢や便秘などもストレスを解消しながら治療していけるという利点もあります。
具体的な漢方の治療とは
漢方で過敏性腸症候群の治療をするにあたっては、牛黄や柴胡などの抗ストレス作用のある生薬を主に使用します。また気を補うとされる人参や白朮などの生薬や甘草、芍薬などの鎮痛や鎮痙作用のある生薬も使用します。
それらが含まれる代表的な漢方薬として人参湯や桂枝加芍薬湯、香蘇散などがあります。
また過敏性腸症候群でも神経症的な傾向の強い方の場合には、加味逍遥散が効果的です。
過敏性腸症候群でも特に腸に疾患がある場合には、便秘や下痢の両方に効く腸自体の機能を正常にする薬を飲む必要があります。またそれとともに血液のめぐりをよくするということも重要です。
全身の血流が良くなると腸の血流も増えて腸の働きも高まります。このように漢方薬は、腸の働きのみに単純に働くというのではなく全身に作用することで体調を良くして行きます。
腹痛や下痢がある過敏性腸症候群では、冷えにも効く桂枝加芍薬湯が効果的です。また便秘気味の方には、大黄というゆるやかな下剤でもある薬を加えた桂枝加芍薬大黄湯が効きます。
さらに便秘と下痢をくり返し腹痛も起こるという方には、中健中湯という漢方薬が効果的です。この薬は、緊張状態が強く出て腹痛があるという腸症候群向けの漢方薬である小建中湯が含まれています。
また腹痛と腹満のような症状がある腸症候群という症状にも効く大建中湯も含んだものとなります。
このようなさまざまな漢方薬がありその組み合わせで効果を発揮することもあります。
しかし即効性は、漢方薬の場合にはあまり期待できませんので長期間の服用が大切です。
このように生薬を複数組み合わせて処方する漢方薬では、過敏性腸症候群の症状に対しての処方だけでなく、体の自然治癒力を高めて病気そのものの原因となるものを解消するという効果もあります。
即効性というよりも問題となる症状に対して期間をある程度かけて、ご自身の体質から改善するという治療法に漢方は適しています。
まとめ
過敏性腸症候群を漢方で治す方法とは、どのようなものか
過敏性腸症候群とは
過敏性腸症候群の治療の仕方とは
過敏性腸症候群の漢方での治療の仕方とは
具体的な漢方の治療とは