女性にとって、欠かすことのできない女性ホルモンは、さまざまな原因で分泌量が減少してしまいます。女性ホルモンのバランスが乱れることによる症状は、多くの女性を悩ませています。
女性ホルモンの分泌量を低下させる原因を改善することも大切ですが、症状によっては 女性ホルモン の 注射 を打つことが症状の緩和や治療に効果的な場合もあります。
女性ホルモンを補う注射がもたらす効果(前編)
女性ホルモンの不足が招く症状
女性ホルモンは、女性にとって大切な役割を持っています。エストロゲンは、女性らしさをつくるホルモンといわれ、不足することによって月経異常、肌トラブル、むくみ、精神的に不安定になるなどの症状があらわれます。
さらに、長期間不足した状態が続いてしまうと、骨粗しょう症や動脈硬化、脳血管疾患、心疾患などの血管系の病気を発症しやすくなるといわれています。
プロゲステロンは、妊娠を助けるホルモンといわれ、子宮内膜を厚くして基礎体温を上げることにより受精卵が着床しやすいような環境に整え、妊娠の継続に関わっています。プロゲステロンの不足は、無月経、不正出血、不妊の原因になるといわらています。
また、エストロゲンの過剰分泌を抑えて2つのホルモンのバランスをとる働きがあるため、プロゲステロンが不足することにより、エストロゲンが過剰分泌されてしまいます。それにより、頭痛や腹痛などがおこる月経前症候群や子宮筋腫、乳がんなどを発症しやすくなります。
また、女性ホルモンは女性ならではの機能に限らず、自律神経やあらゆる器官の機能に関与しています。そのため、女性ホルモンの不足が結果的に重大な病気を招くこともあり得るのです。
女性の体内環境を整える
女性ホルモンは本来、身体の中でつくられるホルモンです。しかし、生活習慣や食習慣、ストレス、運動不足などさまざまなことが原因となり、不足してしまうことがあります。そのため、まずはそれらの原因を取り除いたり、改善することが必要です。
しかし、それだけでは不十分であったり、女性ホルモンの不足が原因となる症状が強くあらわれている場合は、医師の判断により薬物療法を取り入れることもあります。
主に卵巣でつくられるエストロゲンは閉経すると分泌量が減少します。そのため、骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きが弱くなるために骨粗しょう症になりやすく、ホルモンバランスの乱れから精神症状と不快な身体症状が続く更年期障害に悩む女性がたくさんいます。
このような症状を和らげるためにはエストロゲンを注射で補う治療がおこなわれることがあります。更年期障害の治療は、症状が徐々に治るようであれば接種しなくてもよくなることがありますが、骨粗しょう症は骨密度の検査などをおこないながら様子をみて継続する必要がある場合もあります。
不妊治療の場合は、妊娠を促すプロゲステロンの注射をおこないます。プロゲステロンの分泌量が不足していると、着床したり妊娠を継続しづらくなってしまいます。
また、プロゲステロンは排卵後に上昇し、10ng /ml以上であれば正常ですが、それ以下の場合は黄体機能不全の可能性があります。その場合は、プロゲステロンの値をみながら妊娠が確認できるように接種を続けて妊娠しやすい環境をつくります。
まとめ
女性ホルモンを補う注射がもたらす効果(前編)
女性ホルモンの不足が招く症状
女性の体内環境を整える