耳管というのは、鼓膜の内側と鼻の奥をつないでいる長さ3㎝ほどの管状の器官です。中耳の内圧はこの耳管の開閉によって調節されています。耳管狭窄症とは何らかの原因で耳管が閉じたままになってしまう病気です。
ストレス が 耳管狭窄症 の原因になるというようなことはあるのでしょうか。
ストレスは耳管狭窄症の原因になりますか?
耳管狭窄症の症状とは
電車や車に乗っていてトンネルに入ったときや飛行機の離発着の際に耳が詰まったような感じを経験したことがある方は数多いのではないでしょうか。
耳管狭窄症はこの耳が詰まった感じがずっと続く病気です。人によっては、めまいや耳の奥の痛みを訴える方もありますし、ゴーゴーという耳鳴りを感じる方もあります。
上述したように、耳管狭窄症は何らかの原因によって、耳管が閉じたままになってしまうために、中耳の内側と外側の圧力に差が生じてしまうことによって引き起こされる病気です。
耳が詰まったような不快な症状が1週間以上続くような場合には耳管狭窄症の可能性があると考えられます。
耳管は耳の奥の中耳腔と喉の奥の上方にある上咽頭という部分を繋いでいます。音によって鼓膜が正常に振動するためには鼓膜をピンと張る必要があるために、耳の奥と喉の奥を管状のもので繋いで中耳腔と外側の圧力を同じにする必要があるのです。
つまり、耳管狭窄症になると鼓膜をピンと張ることができなくなると言うことができます。
耳が詰まった感じは耳管狭窄症だけでなく、突発性難聴や滲出性中耳炎、メニエール病などでも感じることがあります。いずれも中耳の内側と外側の圧力のバランスが崩れるために引き起こされる症状です。
耳管狭窄症の代表的な原因
風邪などによる上気道炎
耳管狭窄症になる最も多い原因は風邪をひいて鼻や喉に炎症を起こすことです。上気道炎になると鼻や喉の粘膜が腫れてむくんでしまうために、耳管が塞がってしまうために耳管狭窄症を発症してしまうことがあるのです。
副鼻腔炎などによる後鼻漏
副鼻腔炎とは頬骨の下あたりにある副鼻腔という部位に炎症を起こしてしまう病気です。
後鼻漏とは鼻水が喉に垂れてしまうことで、風邪やアレルギー鼻炎などでも起こりますが、耳管狭窄症の原因となるのは副鼻腔炎による後鼻漏が圧倒的に多いと考えられています。
アデノイド肥大や腫瘍による耳管への圧迫
耳管に近い上咽頭にあるリンパ組織のかたまりであるアデノイドが何らかの原因で肥大したり、耳管の近くに腫瘍ができたりして耳管を圧迫することによって耳管狭窄症を発症することがあります。
ただし、上気道炎や副鼻腔炎による後鼻漏に比較すると稀な原因だと考えられています。
耳管狭窄症とストレス
ストレスは直接的な原因となって耳管狭窄症を引き起こすものではありません。ただし、ストレスが多い場合や長期間続いている場合には、どうしても睡眠不足になったり、疲れやすい状態になります。
このような体力や免疫力の低下した状態は風邪などに感染しやすく、こじらせてしまいやすい状態だと言うことができます。そのような意味で、ストレスは耳管狭窄症の大きな原因のひとつであると言えるでしょう。
耳管狭窄症の意外な原因
顎関節症
顎の関節が痛む顎関節症ですが、耳管の開閉に口蓋帆張筋が大きく関係しているために、顎関節症の方は下顎がずれることで耳管を圧迫してしまう可能性があるといいます。
鼻をすする癖
鼻をすすると喉や耳、鼻の圧力が一時的に大きく変化をします。いわば、鼓膜がへこんだ状態になってしまうこの状態が頻繁に繰り返されると耳管狭窄症を引き起こすことがあるといいます。
耳管狭窄症の注意点
耳管狭窄症の状態でスキューバダイビングをしたリ、長時間飛行機に乗ったりすると、中耳に大きな負担をかけることになって、中耳炎を引き起こしてしまう場合があります。
上述したように、耳が詰まったように感じる病気は他にもあります。その中には突発性難聴のように早く治療を開始しないとなかなか聴力を取り戻すことができない病気もありますので、注意が必要です。
副鼻腔炎は風邪から移行することの多い病気です。「鼻風邪」という言葉が象徴するように鼻水は安易に考えられがちですが、長引く場合には副鼻腔炎を疑って耳鼻科を受診するようにした方がよいでしょう。
まとめ
ストレスは耳管狭窄症の原因になりますか?
耳管狭窄症の症状とは
耳管狭窄症の代表的な原因
耳管狭窄症とストレス
耳管狭窄症の意外な原因
耳管狭窄症の注意点