人やものの名前が出ないことは誰しもよくあることです。それが高齢で頻繁にあった場合、自身でも認知症を疑って記憶 チェック をする人も多いと思います。しかし認知症は高齢者だけでなく 若年性認知症 といって若い年齢でもなりうる病なのです。
今回は若年性認知症をご紹介いたします。
若くても!!若年性認知症チェックで早期発見・早期治療!(前編)
若年性認知症の発症状況とは?
厚生労働省によると65歳未満で発症する認知症を若年性認知症と定めています。その中でも18歳から44歳までに発症する認知症を若年期認知症と呼び、45歳から64歳で発症するものを初老期認知症と呼びます。
2009年に厚生労働省から発表された資料によると全国における若年性認知症患者数は37,800人となっています。
年齢別有病率では18歳から19歳は0.002万人(人口10万人当たりの有病率は男:1.6、女:0.0)(※以下(カッコ)内の数字は人口10万人当たりの有病率)、20歳から24歳では0.037万人(男:7.8、女:2.2)、25歳から29歳では0.045万人(男:8.3、女:3.1)、30歳から34歳では0.055万人(男:9.2、女:2.5)、35歳から39歳では0.084万人(男:11.3、女:6.5)、40歳から44歳では0.122万人(男:18.5、女:11.2)、45歳から49歳では0.209万人(男:33.6、女:20.6)、50歳から54歳では0.146万人(男:68.1、女:34.9)、55歳から59歳では1.201万人(男:144.5、女:85.2)、60歳から64歳では1.604万人(男:222.1、女:155.2)となっていて、比較的男性のほうが発症率が高いことがわかります。
30歳以降では5歳刻みの有病率をみると1層上がるごとにほぼ倍増しています。調査によると若年性認知症の介護者が最初に認知症と疑った症状はもの忘れ(50%)、行動の変化(28%)、性格の変化(12%)、言語障害(10%)だそうです。
高齢でないということで安心してしまうのではなく、疑わしい症状があった場合は以下の認知症のチェックテストをするなど何らかの対応を行うことで早期発見にもつながります。
女性は若年性認知症と気づかれにくい?
若年性認知症の平均発症年齢は51歳です。そして女性の閉経の平均年齢はおよそ50歳といわれています。その前後5年くらいが更年期と呼ばれていて、更年期障害といわれる症状が出る時期がこのころです。
更年期障害の症状として「毎日のルーチンワークである家事をする手順に戸惑ったり時間がかかるようになった」や「今までとてもお洒落に気を使っていたのに、顔を洗ったり歯を磨くことも面倒がるようになった」などさまざまな動きが今までとは異なったり、自律神経を侵さられることで怒りっぽくなったり思考能力が鈍ってきます。
こういった更年期障害の症状は、若年性認知症の判断力や記憶力低下、不安、抑うつなどといった症状と非常に似かよってみえます。そのため若年性認知症の症状が出始めていても家族間で更年期障害と判断してしまい若年性認知症の治療開始が遅れてしまうケースが多いようです。
若年性認知症は早期発見ができれば進行を遅らせることもできるものです。もし疑わしい行動がみられた場合は家族間だけでの判断に頼らずきちんと専門医にチェックしてもらうことをお勧めします。
まとめ
若くても!!若年性認知症チェックで早期発見・早期治療!(前編)
若年性認知症の発症状況とは?
女性は若年性認知症と気づかれにくい?