さまざまなシーンで依存という言葉は、使用されます。しかし依存症と言われると何かに依存している病気なのだと思われるでしょう。
依存症と言うのは、精神医学における病気の一つです。では 依存症 になった場合にどのような 治療 がなされているのでしょうか。その点についてご説明します。
依存症の治療とは、どのようなものか(前編)
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依存症とは
依存症になると脳では、どのような変化が起きているのでしょうか。実は脳と依存症との関係については、まだ十分なことが分かっていないようです。
ただそのような中で依存症について少しずつは、解明が進みつつあるという状況です。
例えばギャンブルの依存症を例にあげて脳の中でどのようなことが起きているのかを説明します。ギャンブルの依存症の患者は、特定の報酬となる刺激を見聞きすると脳の中にある報酬系というものが活性化されるということがわかっています。
具体的には、ギャンブル依存症の方はパチンコ店から流れる音楽などが、この刺激にあたります。アルコール依存症の方の場合には、居酒屋などの看板やお酒の瓶そのものを目にすることで刺激を受けるものとなっているようです。
またその一方で患者が依存している行為や物質以外の物や物事への関心は、落ちます。依存していないものに対しては、脳の中の報酬系はそれらの刺激に対しては、活性化は低下してしまいます。
その様子をMRI検査の特殊な形式で患者の脳の活動を計測するという研究をしました。パチンコなどのギャンブル依存症の方にお金の簡単なやりとりの課題を実施した実験です。この実験では、課題を行っている最中は報酬系の活性化は落ちたということです。
この結果ギャンブル依存症の方にとって、かなりピンポイントでパチンコ店の大当たりの音楽などが報酬系を刺激し、それ以外の刺激というものに対しては、関心や興味が落ちるということが分かりました。
ギャンブル依存症に陥りやすい人とは
ではギャンブル依存症に陥りやすい人というのは、どのような人なのでしょうか。それは、何かに衝動的に反応して行動してしまうという傾向を自分では、コントロールできにくいという面があります。
前頭葉の一部の領域が、このような衝動性のコントロールに関わっているといわれています。先述した依存症の方の一部には、前頭葉の働きが弱まっていることで依存傾向が強まるのではないかと推測されています。
依存症の原因というのは、個々人によってさまざまで性格や家庭環境、生活環境などにより異なります。
まとめ
依存症の治療とは、どのようなものか(前編)
依存症とは
ギャンブル依存症に陥りやすい人とは