胃痛は誰しも経験したことのあるありふれた症状です。暴飲暴食の後や仕事のストレスなど、原因に思い当たることがある場合が多い症状と言えるのではないでしょうか。ところが、胃痛と同時に背中が痛くなると単なる胃痛とはちょっと様子が違ってくるようです。
背中 も痛む 胃痛 にはどんなことが考えられるのでしょうか。
あなどれない胃痛と背中の痛み
さまざまな胃痛の原因
暴飲暴食のみならず、高タンパク・高脂肪の食物を摂取しすぎた場合には胃腸に負荷がかかりすぎることで胃痛が発生してしまいます。
現代は食の欧米化が進んだことで高カロリー食が日常化していますが、米と野菜を中心にした和食で長い年月を過ごしてきた日本人の胃腸には配慮が必要なのかもしれません。
ストレスも胃痛の原因となります。長期間強いストレスにさらされると交感神経が活性化して、体を休める働きのある副交感神経が弱くなってしまいます。そのため、消化器官もうまく働かなくなってしまうので胃痛や吐き気などをもよおすようになるのです。
ストレスによる胃痛には胃粘膜に炎症の起こった急性胃炎や炎症が慢性化してしまった慢性胃炎、自律神経のバランスが崩れたことで発症する神経性胃炎などが考えられます。
胃痛や嘔吐と共に発熱や脱水症状がある場合はウイルスや菌に感染した感染性胃腸炎であることが多いです。ノロウイルスやアデノウイルスは幼いお子さんをもってみえる方ならばよくご存知でしょう。サルモネラ菌や病原性大腸菌などによる食中毒も感染性胃腸炎の一種です。
食後に胃の上部が痛む場合は胃の粘膜や胃壁そのものが損傷された胃潰瘍であることが多いです。食後に痛みを感じるのは食べたものが傷ついた胃の粘膜や胃壁を刺激するためであると考えられます。
背中も痛む胃痛の原因
意外なことに背中も痛む胃痛の原因の多くは胃痛そのものにあります。特に背中の痛い部分が左側から中心にかけてという場合はその可能性が大きいと言われています。
空腹時に痛みが強く、胃の周辺から背中、みぞおちなどに鈍い痛みが続くような場合は十二指腸潰瘍ということも考えられます。ご存知のように十二指腸は胃の出口付近にある臓器ですが、立体的に見ると背中の近くに位置するために背中にも痛みを感じることがあるのです。
胃とわき腹の痛みに加えて背中を叩くと痛いという場合は腎盂炎が疑われます。腎盂炎は腎臓に細菌が侵入して発症し、その他の症状として発熱や悪寒がみられます。膀胱炎のような頻尿も特徴的な症状です。
胃の付近と背中の右側から肩にかけて痛む場合は胆のう炎など胆のうの病気が疑われます。胆のう炎は細菌感染が原因ですが、時として激痛を伴います。胆のう炎の場合は背中の痛みが響くようだと訴える方が多いようです。
胃からみぞおちにかけて痛み、左肩や背中が痛む場合は膵炎の可能性があります。膵炎は胃を中心にして左側が激しく痛みます。吐き気があり嘔吐することもありますし、発熱する場合もあります。前かがみの姿勢をとると痛みが和らぐという特徴があります。
注意すべき胃痛と背中の痛み
今回ご紹介したように胃の痛みの原因もさまざまな上にそこに背中の痛みが加わるとさらに多くの原因となる病気が考えられるようになってきます。
気になる症状が長引いていたり、だんだん痛みが強くなって来たりした場合は消化器内科などで詳しい検査を受けて原因を突き止めるのが賢明です。
胃を含むわき腹と背中が痛むという主訴から思いもかけない狭心症のような心疾患が見つかったというようなケースもあります。胃や背中の痛みは体の何らかの不調のサインかもしれないと考えて早めに対処するのがいいでしょう。
まとめ
あなどれない胃痛と背中の痛み
さまざまな胃痛の原因
背中も痛む胃痛の原因
注意すべき胃痛と背中の痛み