日本泌尿器学会によれば一般的には「起床から就寝までの間に8回以上の排尿があること」が頻尿だと言われています。 頻尿とは どのような症状でその原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。
女性に多い頻尿の原因と対策も含めてご紹介いたします。
女性特有の原因もある頻尿とは
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頻尿とは
頻尿という言葉は日常でもよく使われますが、排尿の回数は非常に個人差があるものなので、明確な基準があるものではないようです。
基本的には成人の1日当たりの平均排尿回数が5~7回と言われていて、日本泌尿器学会では「起床から就寝までの間に8回以上の排尿があること」を頻尿としています。
ただし、8回未満の排尿回数であっても本人が頻尿だと感じていれば頻尿であるとする考え方をとっています。
水分を大量に摂取したときや飲酒したときなどのように排尿回数が増える明確な理由がある場合には排尿回数が増えても頻尿にはあたりません。
女性に多い頻尿の原因と対策
過活動膀胱
過活動膀胱は排尿筋が過剰に収縮してしまうために、排尿回数が増えたり、急に強い尿意を感じたり、トイレまで我慢できずに漏らしてしまう切迫性尿失禁などの症状が出る病気です。
女性は尿道が3~4㎝と男性に比べて短いために尿失禁を起こしやすいと言われています。
40歳以上の方の8人に1人の割合で過活動膀胱の症状があると言われていて、加齢とともに症状をもつ方が増えていきます。全国で800万人以上の方が過活動膀胱で悩んでいることがわかっています。
過活動膀胱の症状を改善するためには、膀胱の筋肉を収縮させるアセチルコリンという物質の働きを抑制する抗コリン剤を服用する薬物療法と膀胱訓練という行動療法を併用することが効果的だと言われています。
膀胱訓練は尿意を感じてもすぐに排尿せずに、トイレに行く間隔を徐々に長くしていく訓練法です。最初は5分間、次に、10分、15分とトイレに行くことを我慢する時間を延ばしていき、最終的に排尿間隔を2~3時間にもっていきます。
骨盤底筋のゆるみ
骨盤底筋がゆるむと、重い物を持ったり、くしゃみをしたりした拍子に尿が漏れてしまう腹圧性尿失禁を起こしてしまいます。お腹に力が入ると膀胱に圧力がかかってしまうためにこのようなことになります。
骨盤底筋は加齢や運動不足によっても筋力が低下しますが、妊娠・出産によって骨盤底筋に負担をかけてダメージを与えることが一番大きな原因になります。妊娠・出産後に尿漏れに悩む女性が多いのはそのためだと考えられています。
健康な骨盤底筋はお腹に力が入ると反射的に尿道口を締めますので、尿漏れが起きません。骨盤底筋がゆるんでしまうと尿道口をしっかり締められなくなってしまうのです。
ゆるんでしまった骨盤底筋を鍛えるには骨盤底筋体操がお勧めです。まず、仰向けになって、軽く両膝を立て、腹部の力を抜いて、便意を我慢する感じで肛門を引き締めます。
肛門を引き締めたまま5秒間ゆっくり数えてから肛門をゆるめます。この動作を1日に2~3回、5分ずつ続けてみてください。
過活動膀胱と骨盤底筋の緩みの併発
過活動膀胱と骨盤底筋の緩みを併発している場合も数多くあります。過活動膀胱でトイレが近くなるのに加えて、咳やくしゃみのようなふとした瞬間に尿漏れをしてしまうという二重の悩みを抱えてしまうことになります。
過活動膀胱と骨盤底筋の緩みを併発している場合には膀胱訓練法と骨盤底筋体操を並行して行うのが効果的です。
夜間頻尿
睡眠中に何度もトイレに起きて、十分な睡眠が得られないという方もあるのではないでしょうか。夜間頻尿とは夜間睡眠中にトイレに起きて眠れないなどの不便があるものです。
夜間頻尿の原因は、夜間多尿といって、夜の尿の量が多い場合、膀胱に溜める量が少ない場合、睡眠障害があって夜間目覚めやすい場合などの原因があると考えられています。
夜間多尿の原因は水分の過剰摂取、高血圧や心疾患などの内科的な疾患の影響、加齢による抗利尿ホルモンの変化や腎濃縮機能低下などが考えられます。
膀胱容量低下の原因には過活動膀胱・子宮筋腫などの泌尿器や婦人科の疾患、加齢による膀胱平滑筋の減少や尿意の感じやすさ、習慣や心因性によるものなどが考えられます。
睡眠障害と夜間頻尿には目覚めたらトイレに行く習慣ができると尿意のために目覚めたと感じるようになるという側面もあるようです。
多くの場合、夜間頻尿の原因は加齢によるものが多いものです。睡眠中に何度もトイレに起きていると充足感のある睡眠がとりづらくなってしまいます。
生活全般を見直して、質のよい睡眠をとれるような工夫をするとともに、症状が改善しない場合は躊躇することなく泌尿器科を受診しましょう。
まとめ
女性特有の原因もある頻尿とは
頻尿とは
女性に多い頻尿の原因と対策
夜間頻尿