成人の一日の排尿は昼間に5回、夜間に0~1回が平均だと言われています。ただし、排尿は非常に個人差があるもので、昼間8回、夜間2回以上になると頻尿とされることが多いようです。
水分の摂取過多という理由以外にどのようなことが原因で頻尿は引き起こされるのでしょうか。 頻尿対策 とあわせてご紹介いたします。
日常生活でもこうしてできる頻尿対策
頻尿の原因とは
過活動膀胱という病名は近年、治験の案内などで耳にされた方も多いのではないでしょうか。
尿が十分に溜まっていないのにもかかわらず、膀胱が勝手に収縮してしまうという病気です。急に尿意をもよおして我慢ができないので四六時中トイレに通っているような状態になったしまう方もあります。
膀胱炎など尿路感染症でも頻繁に尿意を感じるようになります。多くは尿道から侵入した細菌が原因で女性は尿道が短いので膀胱炎など尿路感染症になりやすいと言われています。
最も重篤なのは膀胱がんが原因の頻尿です。膀胱がんの主な症状としては血尿がみられますが、好発年齢の70歳以上の方で頻尿がある場合には念のために専門医の受診をお勧めいたします。
その他、尿道や膀胱などの器質的な問題がないにもかかわらず頻尿がある場合は心因性のものであると考えられます。心因性の頻尿の特徴は精神的なものなので夜間頻尿はみられないという点です。
女性特有の頻尿の原因としては骨盤底筋の緩みがあげられます。骨盤底筋は尿道と膀胱、子宮などを支えている筋肉なのですが、お腹に力が入ると尿道口を引き締めて尿漏れを起こさないような働きをしています。
ところが、妊娠出産などで骨盤底筋がダメージを受けたり、加齢によって筋力の低下がみられるとうまく尿道口を引き締められなくなってしまうのです。
この骨盤底筋の緩みと上述した過活動膀胱が併発するということがあるのですが、その場合はさらに頻尿や尿漏れが深刻化すると言われています。
器質的な問題の解決
頻尿でトイレに通う回数が多いのが苦痛という方には排尿の回数を抑える薬も市販されています。服用することで症状は改善されますが、上述のように頻尿という症状の陰に膀胱の器質的な問題が潜んでいる可能性があります。
例えば、過活動膀胱でみられる急に尿意をもよおす尿意切迫感や尿意を我慢できずにトイレに入る前に排尿してしまう切迫性尿失禁などは膀胱炎や膀胱がんでも同じような症状を呈しますので、器質的な問題の有無と病気の識別をまず一番に考えるべきでしょう。
女性特有の頻尿の原因も骨盤底筋の緩みの他にも尿道の短さなどのために膀胱炎などの尿路感染症も圧倒的に多いとされていますので、そのような可能性がある場合はためらわずに専門医を受診しましょう。
日常生活での頻尿対策
膀胱や尿路などの病気ではないものの頻尿に悩んでいる方も数多いものです。
例えば、「人と比べるとトイレに行く回数が多い」「尿漏れが気になるので早めにトイレに行ってしまう」というような方は計画的に排尿を我慢して膀胱に溜められる尿の量を増やす訓練をするのも有効です。
成人女性の1回の尿量は200~300mlだと言われています。この量より極端に少ない方はこの膀胱訓練法で1回の尿量を増やすことで排尿の回数を減らすことができる可能性があります。
骨盤底筋は直腸、子宮、尿道、膀胱などを支えていますので、骨盤底筋を鍛えることで頻尿を改善することが期待できます。肛門や膣を締めたり緩めたりする動作を最初は力を入れずに、徐々にゆっくり力を入れて2~3回ずつ繰り返します。
立位で行っても家事をしながらでも骨盤底筋を鍛えることができます。骨盤の周辺の筋肉を引き込むようなイメージをもって下腹部を持ち上げるようにするのがポイントです。
病院に行くほどでもない頻尿の場合、サプリメントを試してみるというのも一案です。女性には「ペポカボチャ種子エキス」や「イソサミジン」を主成分にしたサプリメントが有効だと言われています。
薬用カボチャと呼ばれているペポカボチャの種子に含まれる成分は排尿トラブルに効果があり、ボタンボウフウという植物に含まれているイソサミジンは排尿筋をリラックスさせる働きがあるとされています。
まとめ
日常生活でもこうしてできる頻尿対策
頻尿の原因とは
器質的な問題の解決
日常生活での頻尿対策