「貧血予防・改善のために原因を知ろう(前編)」では、女性に多い鉄欠乏性貧血についてご説明致しました。後編では、鉄欠乏性貧血が悪化するとどのような状態になるのか、また鉄欠乏性貧血の予防や改善のためにできることをご紹介致します。
今回は、さまざまな種類がある 貧血 の中から、鉄欠乏性貧血の 原因 から予防までを解説致します。
貧血予防・改善のために原因を知ろう(後編)
鉄欠乏性貧血が悪化すると危険
鉄分は新しい細胞を作り出すために必要な成分です。慢性的に鉄分が不足すると、体に必要な細胞が正常に作り出されなくなり様々な症状が現れます。
まず黄体ホルモンの分泌が低下し、生理不順や不妊や流産の原因になります。
また白血球量の減少や働きの低下を招き、細菌やカビなどから十分に体を守れなくなります。インフルエンザなどの感染症にもかかりやすくになります。
十分に脳の神経伝達物質が作られなくなると、集中力の低下や触れられていないのに常に体を触られているように感じる、体をムカデが這い回っているような幻覚のような症状が現れ、睡眠障害やうつ病に発展する可能性もあります。
正常な体では食道の粘膜は常に増殖していますが、鉄分不足から粘膜が作られなくなると食道が萎縮してしまい、固形物を飲み込むことが困難になります。
脳での鉄分不足が加速すると、味の好みが変化するほか、衝動的に氷など歯ごたえのある固いものをかじりたくなります。症状が悪化すると、鉄の鍋や絵の具・工作用のり、中にはガソリンを飲んでしまうような異食行動を起こします。
たかが貧血と放置してしまうと徐々に悪化してしまいます。軽視せずに体に現れた貧血のサインを見逃さないよう注意が必要です。
予防・改善のために必要なこと
鉄分不足に陥らないためには、毎日の食事で鉄分を摂取することが大切です。
1日に食事で補うべきとされている鉄分量は、成人男性は7.5mg、女性は月経の有無で差がありますが6.5から11mg、また鉄欠乏性貧血になっている場合は20から30mg必要とされています。
鉄分の他にも、ヘモグロビンなどの素材になるタンパク質、赤血球を作るときに必要なビタミンB12や葉酸、鉄の吸収を助けるビタミンCなど、動物性食品と植物性食品からバランス良く摂取することが大切です。
また梅干しや酢の物などの酸味があるものを摂取することや、よく噛んで食べることで胃酸の分泌が促され鉄分が吸収されやすくなります。
鉄分もタンパク質も多い食品には牛肉やレバー・赤身の魚・あさりなど、ビタミンB12が多い食品にはレバー・魚介類・チーズなど、葉酸の多い食品にはほうれん草・ブロッコリー・アスパラガス・納豆など、ビタミンCが多い食品には緑黄色野菜・果物などがあります。
これらを意識的に摂取することが、鉄欠乏性貧血の予防や改善につながります。
まとめ
貧血予防・改善のために原因を知ろう(後編)
鉄欠乏性貧血が悪化すると危険
予防・改善のために必要なこと