排卵痛 とは排卵期に感じる痛みですが、非常に個人差の大きいことで知られています。全く痛みを感じない方から痛みのために寝込むほどの方までという症状の強弱や痛む部位も卵巣周辺や頭痛、 腰痛 など多様です。
今回は排卵期の腰痛について注意すべき点を含めてご紹介いたします。
こんなことにご用心排卵痛としての腰痛
排卵痛でなぜ腰痛になるのか
排卵痛とは文字通り排卵期にみられる痛みのことです。排卵期とは排卵日の前後3日間くらいの期間を指しますので、仮に月経周期が28日であるとすると月経開始から13~15日目くらいを排卵期と考えてよいでしょう。
この時期に生理痛にも似た下腹部の張りや痛み、腰痛などが感じられる場合は排卵痛である可能性があります。
確実に排卵痛であると言うためには基礎体温を測定して、低温期から高温期に移行する頃の痛みであることを確かめたり、排卵検査薬を使用することも有効です。
排卵は卵子が卵巣の壁を突き破るような形で排出される現象なので、卵巣の壁を突き破る際に痛みを感じることがあると言います。
さらに、突き破られることで傷ついた卵巣壁から出血することがあり、出血量が多いと下腹部の張や痛みの原因になることもあります。
また、排卵後の卵巣の中に残る黄体の影響で卵巣は少し腫れた状態になってしまいますが、この腫れも排卵痛の原因になっている可能性があると言います。
さらに排卵後は卵巣から女性ホルモンが盛んに分泌されるようになりますので、下腹部の張りは女性ホルモンの影響で腸の動きが鈍くなることが関係しているのではないかと考えられています。
卵巣が位置しているのはご存知のように骨盤腔の中ですので、骨の繋がり方から排卵痛として腰痛が生じることも容易に考えられます。
また、下腹部の張りや痛みをかばうためにどうしても不自然な姿勢をとってしまって腰痛を引き起こしてしまうという可能性もあります。
出産後にそれまでは感じたことのなかった排卵期の腰痛に悩まされている方もあることと思います。これは出産によってホルモンバランスが大きく変動することによって卵巣機能が低下することに一因があると考えられています。
また、出産時には急激に骨盤を広げて縮めるということになりますので骨盤にゆがみが生じてしまうことがあります。このゆがみも卵巣の働きに影響を与えると言われています。
更年期の方の排卵痛に関する悩みも多いものです。この時期には卵巣の機能が低下してきますので、排卵がうまくできずに卵巣が腫れることや女性ホルモンだけが分泌されることが原因であると言われています。
日常生活で排卵期の腰痛を緩和するには
食生活では女性ホルモンによく似た働きをする大豆や大豆由来食品である豆腐、油揚げ、納豆などを積極的に摂るようにするといいでしょう。
また、体の冷えは排卵痛を感じやすくしてしまうと言われていますので、生姜やネギ、根菜類など体を内側から温めてくれる食材をうまく取り入れる工夫も大切です。
毎日の生活の中にジョギングやストレッチなどの軽い運動を取り入れることも冷え対策のひとつとなります。一駅だけ歩くようにするなどの軽い運動を継続することが大切です。
忙しいとついついシャワー浴で済ませてしまいがちですが、ゆったりと湯船に浸かる習慣も非常に有効です。半身浴もお勧めいたします。
排卵期の腰痛の注意点
排卵期の腰痛を含めて排卵痛は病気ではありません。ただし、毎回痛み止めが必要であったり、3日以上も痛みが続くような場合は専門医を受診して相談する方が賢明でしょう。
また、普段はさほど強く排卵痛を感じていなかった方が非常に強い痛みを継続して感じられるような場合には卵巣出血や黄体出血を起こしている可能性もありますので、直ちに専門医を受診してください。
女性は生理痛や排卵痛に慣れているということもあって、がまんしてしまうということもあるかもしれません。排卵痛を疑うような症状がある場合には基礎体温を記録して痛みの出る時期が排卵の時期と重なっているかどうかチェックしてみましょう。
一番危険なのは、いつもの痛みとして看過していたものがもっと危険な病気のサインだったという場合です。とりわけ下腹部には女性にとって大切な子宮や卵巣、卵管などが存在しますので注意が必要です。
まとめ
こんなことにご用心排卵痛としての腰痛
排卵痛でなぜ腰痛になるのか
日常生活で排卵期の腰痛を緩和するには
排卵期の腰痛の注意点