最近胸やけばかりすると感じている人は 逆流性食道炎 の可能性があります。以前は主に高齢者の病気として知られていましたが、近年では若い世代や妊婦にも急増しているそうです。少しでも不快感を避けるために予防法や 治し方 を学びたいものです。
今回は逆流性食道炎を紹介します。
逆流性食道炎の治し方を試みてもダメ。大病の可能性も?!(前編)
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逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは胃に食べ物が流れ込む際に起こす胃酸の分泌命令が何らかの原因で胃液や食べたものを逆流させてしまうことで生じる病気です。
胃には強い酸性の消化液である胃酸があり、その胃酸や胃酸と混ざり合った食べ物が逆流することによって食道の粘膜が強く刺激され炎症や潰瘍を起こしてしまうのです。食後にゲップが出る際も同時に胃酸が逆流することもあり炎症が発生しやすい状態になります。
通常胃に入った食べ物は胃と食道が逆流を防ぐために筋肉で胃の入り口を閉じるようになりますが、その筋肉が緩んでしまうことで逆流が起こりやすくなります。筋肉のゆるみは高齢になることで起こりやすくなるため逆流性食道炎は高齢者がなりやすい病気とされていました。
しかし近年では発症しやすい原因が年齢に関係ないものも多々あり、特に女性では妊婦に症状が出やすいといわれています。妊娠中は自身でも体のコントロールが難しい状態の中でそれ以上に不快な症状が出やすいということであれば治し方を学び、できる限り早めに改善したいものです。
逆流性食道炎の原因とは?
逆流性食道炎が起こりやすい原因として考えられていることは次のとおりです。
(1)食事中の姿勢が悪い(2)肥満体型、妊婦(3)食後寝転がる(4)ストレス(5)欧米化した食生活です。
(1)食事をする時の姿勢が悪く前かがみでいると胃が圧迫され消化しづらいとともに胃酸の逆流が起こりやすくなります。そもそも高齢になると腰が曲がる人も多く日常的に姿勢が悪い状態が続いているという点が高齢者に逆流性食道炎が多いということにあたります。
若い世代では、離乳食中の子供がいるママは子供に離乳食を与えながら片手間で自身の食事をとっている人も多いと思います。
しかしこの状態は自身の食事に集中していないために食べ過ぎをもたらし、咀嚼(そしゃく:食べ物を細かく噛み砕くこと)回数が少なくなることで消化も悪くなり逆流性食道炎を起こしやすい状態をつくります。
(2)肥満の場合は腹部の脂肪、また妊娠中は日に日に大きくなる胎児によって胃への圧迫で逆流を起こしやすい状態になってしまいます。特に女性では出産を経験した多くの人たちが逆流性食道炎に苦しめられていると思います。
お腹が大きい状態を10ヶ月続けているだけでも大変なのにもかかわらず、大きくなればなるほど胸やけやゲップが出る回数が増え、胃液の逆流する頻度が高くなり辛い思いをした人も少なくないでしょう。
(3)食べ物の消化には3時間から4時間程度かかるといわれています。食後すぐに寝転んでばかりいると、腹部が圧迫されて胃酸や消化されていない食べ物が逆流しやすい状態になります。食後3時間から4時間は胃に負担がかからないような楽な姿勢でいるようにしましょう。
(4)食べ物が胃に入る時に働く胃液の排出を命令する神経が、ストレスがかかると刺激され空腹時にも胃液が分泌されることとなり逆流してしまいます。
ストレスが多いことでこの症状が繰り返されると逆流性食道炎にとどまらず、胃粘膜を消化してしまい胃壁がただれてしまう状態、いわゆる胃潰瘍をもたらしてしまいます。
(5)日本古来の食生活は野菜や魚など素材の味を大事にした調理方法で決して贅沢に食卓を飾るような食事とはいえませんでした。しかしそういった食生活は体にとっては負担も少なく非常に健康的なものでした。
近年は肉食を中心とした欧米化した食生活が一般的になっています。これは自然と野菜や魚の摂取量の減少をもたらして脂肪摂取量ばかりが増加して胃酸の分泌量を増やす結果となっているのです。こういった背景から若い世代に逆流性食道炎が増加しているのです。
治し方を試しても改善がみられない場合は大病の可能性もあるようです。
まとめ
逆流性食道炎の治し方を試みてもダメ。大病の可能性も?!(前編)
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎の原因とは?