本来、食べたものを消化する消化器官は上から下へと一方通行になっています。しかし、何らかの原因により胃の中で分泌されている胃酸が食道へと逆流してしまうことがあります。
これは、 逆流性食道炎 といわれ、胃酸により食道が炎症をおこすことによる胸焼けや呑酸などの症状がみられます。
気になる症状を改善する 市販薬 が多く発売されています。そのため、早期から治療することが可能になりました。
市販薬でもつらい逆流性食道炎は治療できる(前編)
気になる胸やけは食道の炎症が原因
普段、食べ過ぎたときやお酒を飲み過ぎたときなど、どこかスッキリとせず胸焼けがするという経験をしたことがある方もいると思います。
このような症状が一時的であれば、特に気にすることはないでしょう。しかし、常に胸焼けを感じたり、胃酸が戻ってくるような感覚や口の中に酸っぱさを感じるといった不快感な症状が頻繁にあらわれる場合は、胃酸の逆流が原因となる逆流性食道炎を発症している可能性があります。
主な症状は胃酸により食道が炎症をおこすことが原因となる、胸焼けや呑酸ですが、他にも胃が重く感じたり痛みや吐き気があらわれて、食欲低下を招くことがあります。
また、風邪などの症状がないにも関わらず喉がイガイガする、咳き込みが続くなどの症状があらわれることがあります。その他、気管支ぜんそくなどの持病のある方は症状が悪化することもあります。
なぜ胃酸が逆流するのか
私たちが食事を摂ると、食べ物は口から食道を通って胃に運ばれます。胃の蠕動運動を働かせて食べ物を細かく粥状にし、さらに胃酸や消化酵素によって食べたものをそれぞれの栄養素へと分解していきます。
粥状になった胃の内容物はその後、十二指腸、小腸、大腸と移動しながら栄養素、水分が吸収され最終的に便として排泄されます。
それぞれの器官では、吸収する栄養素が異なり、その栄養素を吸収するための消化酵素を分泌しています。そのため、それぞれの器官はそこで分泌される消化酵素に適した構造をしています。
例えば、胃は鉄も溶かすほどの強い酸に耐えられる構造を持っています。しかし、その前後の食道や十二指腸は、強い酸に適した構造を持っていません。
そのため、食道と胃、胃と十二指腸の接合部には括約筋があり、食道に内容物が戻らないように、十二指腸の準備が整う前に内容物が流れないような構造があり、常に一方通行になっているのです。十二指腸は、アルカリ性の分泌物によって胃酸を中和する機能も持っています。
しかし、何らかの理由により、食道と胃をつなぐ括約筋の機能が低下し、胃酸が食道に逆流してしまうことがあります。これが頻繁におこると、食道は酸によって炎症をおこし、胸焼けや呑酸などの症状をもたらします。
まとめ
市販薬でもつらい逆流性食道炎は治療できる(前編)
気になる胸やけは食道の炎症が原因
なぜ胃酸が逆流するのか